■旅日誌
[2024/10] 来ぬ秋~カシオペア紀行・海里
(記:2025/2/1)
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念願のカシオペア紀行に乗車しました。昼行運転で仙台までとそれほど長い距離ではありませんでしたが、奮発しての乗車です。その後、秋田へ抜けて、翌日は羽越線経由で海里へ乗車しました。
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 1日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
上野、カシオペア紀行、仙台、秋田
寝台特急「カシオペア」として上野-札幌間で運行を開始したのが1999年、いまとなっては四季島や瑞風、ななつ星といったクルーズトレインが名を連ねているが、当時トワイライトエクスプレス同様、寝台特急「北斗星」とは違った豪華列車のはしりだったのかもしれない。後年、北海道新幹線の青函トンネル対応で定期運用を終えたあとは団体ツアー専用臨時列車として運転されるようになったが、ツアーの開催回数はそれほど多いわけでもなく、とにかく高額…。一度は乗ってみたいと思っていたのだが、そう簡単に手を出せるようなものではなかった。まぁ、そうしてる間にも確実に車齢を重ねているわけで、E26系客車は引退も囁かれるようになってきている。さらには牽引する機関車も、そしてそれを運転できる人の数も減ってきているらしい。こんなことを言う人もいるが、引退してしまったら何億積んでも乗ることができなくなるので、乗れるときに乗っておくべきというのも何となく分かるような気がする。
カシオペア紀行・E26系牽引するEF81 139号機
今回はJR東日本びゅうツーリズム&セールスのツアーに参加、本当は夜行列車として一晩過ごすのが理想だったかもしれないが、最近は催行の機会もめっきり減ってしまい、今日も昼行カシオペアとして東北本線経由仙台行きとなっていた。カシオペアには5時間ほどの乗車で、そこだけ着目するとツアー料金は桁1つ違うように思えて躊躇しなかったわけではなかったが、翌日はまったく違った趣向の行程が組まれていたので、勢いに任せて申し込んでいた。ツアーの集合場所は上野駅のいつもの場所、点呼を受けて13番ホーム列車入線を待つ。13番ホームは独特の雰囲気があり、推進運転で入って来た姿を見るとじわじわとテンションが上がってくる。今日、先頭に立つ機関車EF81 139号機、確かこのカマには20年くらい前にもお世話になったはずだが、いやぁ真っ赤なボディが妙に艶っぽい。出発までたっぷり1時間ほど時間があったので、ウロウロしながら写真に収めたり、みな思い思いに過ごしている様子だった。
カシオペア紀行・牽引するEF81 139号機
列車は定刻で上野駅を出発、そろりそろりと客車独特の動き出しが懐かしい気分になる。今回乗車したのはカシオペアツインの2階席2脚のソファにトイレ・洗面ユニットが各部屋に付いており、2台のベッドがL字型にセットできるよう配置されている。休日の日中走行ということもあり、通り過ぎる駅ではかなり目を引いていた。大宮駅を通過、都会の様相からしばらくはの郊外の住宅地が続いていたが、徐々に田園風景へと変わっていく。途中、黒磯と福島で運転停車するほか停車駅はない。ちなみにこのツアーでは、朝食のサンドイッチと笹川流れの塩ブラウニーが配られ、その後で昼食にはカシオペア特製弁当、さらにはアイスとコーヒー引き換え券が付いてくる。少しだけラウンジカーにも行ってみたが、時折、車内販売も巡回していた。
カシオペア紀行・カシオペアツインのツアーの様子
列車は順調に東北本線を北上し、その後も秋らしい景色をぼんやり眺めて過ごしていた。残念なことにマナーの悪い撮り鉄のせいで緊急停車せざるを得ない事案が頻発していると聞いていたが、今回も途中10分ほど足止めされ、終点仙台には定刻よりやや遅れて到着。名残惜しいが、これでカシオペアとはお別れ、次があるか分からないが、引き上げていくカシオペアを見送る。今日はこの先秋田まで新幹線で移動し、駅近くのJR系列ホテルで一泊。ツアー料金相当のちょっとお高めの部屋でゆくっりくつろぐことになった。思いのほか晩御飯にする時間が取れなかったので、ホテル近くのすぐに食べられそうなところで親子丼をいただく。しっかりとした食感と地鶏らしい味わい、とろ~り卵は普段口にするものとは明らかに違っていた。
カシオペア紀行
 2日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
いなほ8、酒田、海里
明けて2日目、今日は少し遅めの出発となる。秋田駅定番の巨大像、秋田犬のバルーンと改札前のなまはげに見送られ、秋田駅10時44分発のいなほ8号に乗り込む。いなほ号に乗るのも随分久しぶりだったが、いまは秋田地区へ転用されたE653系電車7両で運行されている。今日も秋田酒田間で延長運転される便もあり、乗車したいなほ8号酒田から先で満席に近い予約が入っているという。列車は秋田県から山形県に入り鳥海山が見えてくるとやがて酒田駅に到着する。酒田では3時間ほど自由時間があったので、港の方へ足を延ばすことにした。下調べなどしてなかったので何があるか分からなかったが、さかた海鮮市場の中にあるお店に入り、地のもの昼食にする。さすが港直結だけあってボリューミーでコスパ抜群、少しぶらぶらした後、以前にも2度ほど寄ったことがあったので当初パスするつもりだったが、まだもう少し余裕があったので、山居倉庫経由して駅へ戻ることにした。
特急いなほ
あらためて酒田駅に戻り、この旅後半のメインである海里に乗車する。臨時快速列車海里」は夕日と新雪をイメージしたカラーの4両編成のディーゼルハイブリッド車両で運行されている。2019年、引退したきらきらうえつのあとを引き継ぐ形で導入されたのはHB-E300系気動車リゾートしらかみリゾートあすなろにも使われている観光列車酒田から羽越線を日本海沿いに南下し新潟まで駆け抜ける。笹川流れに代表されるように、この区間の車窓の日本海何度来ても見てて飽きることはない。鶴岡駅30分程停車時間があり、日も西に傾き始めた頃、奇岩と夕日を望む絶景箇所で徐行サービスが行われ、列車桑川駅に到着、再び小休止することになった。
臨時快速列車・海里
桑川駅でも日没の瞬間に合わせるように30分程停車時間が設定されていた。あいにく水平線には雲がかかっていたものの、それでも雲の合間から太陽が沈んでゆく様子を見届けることができた。絶妙なタイミングでダイヤが組まれてるものだなぁなどと感心してるうちにあたりはどんどん暗くなり、6時半を少し回ったところで新潟駅へ到着。慌ただしく上越新幹線に乗り換えてツアーは終盤を迎える。果たして2度目があるか分からないが、今回は念願だったカシオペアに乗ることができて満足度は高かったように思う。確かに高額ではあったが、2日目の海里も素晴らしく、まぁこれはこれでよかったのではないだろうか。
笹川流れの絶景