■旅日誌
[2024/11] トキの舞う空
(記:2025/2/11)
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新潟空港を拠点とした新しいエアライン、トキエアが運航を開始しました。就航まで紆余曲折ありましたが、今回は札幌丘珠まで利用してみます。とんぼ返りでしたが、帰路はJALのA350に初めて乗ってみることにしました。
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 日帰り
ルート概略
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新潟空港、TOK101、札幌丘珠空港、新千歳空港、JAL518
2024年1月、新潟空港をベースとした新しいエアライン「トキエア」が札幌丘珠線に就航、その後、仙台、セントレア線で運航を開始し、現在3路線で運用を行っている。これまで紆余曲折様々なことが起こり度重なる延期を経てきたわけだが、将来的には佐渡路線も視野に入れてるらしい。しかし、ATR社は短距離離着陸(STOL)型のATR42-600S型機の開発を中止してしまい、この先どうなるのか心配事が尽きない。と、まぁ暗い話は置いといて、当初より少しは落ち着いた頃かなと思い、今回は札幌丘珠線に乗ってみることにした。
上越新幹線・とき301号
本当は余裕をもって新潟に前泊したいところではあったが、上越新幹線の始発に乗れば新潟空港10時発の便に十分間に合うので、東京駅6時8分発のとき301号に乗車することにしていた。運よくキャンセルで流れてきたトクだ値も手元のICカードに紐づけてあるし、あとはいつもの横須賀線の始発に乗って東京駅構内を無駄なく移動してと、ここまでは順調に運んだのだが、席に着いてやれやれと思ったところで事件が起きる。なんと大宮-熊谷間で保守車両が故障して上越新幹線は運転見合わせ、再開時刻も未定だという。うわぁ~これは終わったかぁ!?と一瞬青ざめる。
新潟空港
少し冷静になって状況を整理しよう。この時間に新幹線以外の方法で10時までに新潟へたどり着く手段はない。せめて千歳だけでも、、、いやいや、北海道へ渡ったとしても何の意味があるのか…。ところで、新潟空港にいなければならないデッドラインから逆算して、新潟駅からタクシーを飛ばすとしても9時15分には新幹線新潟駅に到着してなければならない、、、などと考えていると、故障車両の回収に向けて作業が開始されたこと、この列車は大宮までダイヤ通り運転して、そこで抑止~再開を待つこと、といった情報が入ってきた。となれば7時30分までに大宮駅から運転再開してくれれば何とかなるかもしれない。そっか、まだ完全に詰んだわけではないぞ…。
トキエア・TOK101便・丘珠行き
とりあえずとき301号は定刻で東京駅を出発、上野駅を出たあと大宮へ向かう途中、故障した保守車両は基地に回収され、安全確認が取れ次第、7時頃を目安に運転再開を目指しているとのアナウンスが入る。少し光が見えてきたところで大宮駅に到着、続いて北陸新幹線のかがやき501号が隣に入って来て同じように抑止を受けていた。そしてモヤモヤしながら待っていると、運転再開時刻は7時10分に決定、このペースで行けば高崎から先は30~40分程度の遅れが見込まれるとのことだった。変な緊張感の中、とき301号は37分遅れで大宮駅を出発、手元のアプリを見ると最高速度275キロをキープして、全力で回復運転を行っているのが分かった。E7系車両の驚異的な性能を遺憾なく発揮し、高崎駅では33分遅れまで回復、うっすら雪化粧の上越国境を越え、越後平野に差し掛かると晴れたり雨になったり猫の目のように天気が変わる。そうだよな11月も後半だし、、、あらためて日本海側の冬がそこまでやって来てるのを感じた。最終的に新潟駅到着は29分遅れまで回復、おかげで諦めかけてた空港直通リムジンバスに何とか間に合いそうだ。残念ながらいなほ1号の乗り継ぎが断念されたが、先月の海里の帰り以来の新潟は、またも慌ただしい乗り換えとなった。
トキエア・TOK101便・丘珠行き
新潟空港に来るのは空港巡り以来約20年ぶり2度目のことだが、前回は佐渡空港から旭伸航空のアイランダーでやって来てそのまま同社の格納庫に収まってしまったので、ターミナルを利用した覚えがない。残念ながら旭伸航空は佐渡路線から撤退してしまい、そのあとの引き継ぎ話も上がっては頓挫してを繰り返してたけど、、、まぁ、昔の話は一旦忘れて気を取り直して行こう。トキエアは手元に送られてきたPDFが搭乗券代わりに使えるのでカウンターに寄る必要はなく、保安検査場もそれほど混雑してなかったので、ラウンジでコーヒーを一杯だけいただくことにした。ひと息入れながら外を眺めていると、滑走路の向こうで強い季節風にあおられた白波がバシャバシャと波立ち、これから搭乗する機材が仙台から遅れて戻って来た。さて、ちょうどいい時間になったので、搭乗口へ向かうことにするか。
トキエア・TOK101便・丘珠行き
仙台便の到着遅れを引きずって、丘珠行きの出発も20~30分程遅れるようだ。強風がふきすさむ中、バス搭乗機へ向かう。今日、TOK101便に使用されるのは初号機のJA01QQ機体後方のドア階段から新造のATR機に乗り込む。窓側の座席はほぼ埋まり、ところどころ2人掛けがある程度だった。ターボプロップ機独特のルーティンを経て新潟空港を離陸、荒れた日本海の上空を旋回し、先月通ったばかりの日本海沿いを北へと進む。トキエアではドリンク提供などの機内サービスはなく、今回は搭乗記念にクリアファイルとステッカーを受け取っておく。外の荒天をよそにTOK101便は津軽半島上空から津軽海峡を越え、内浦湾を左手に北海道上空に差し掛かる。最終アプローチでは札幌市街の西側から北に向けて降下、最後はぐるっと旋回して札幌丘珠空港へ到着した。
札幌丘珠空港
丘珠に着いた頃には既に12時を回っていた。空港巡り以来2度目、かれこれ18年振りとなる。朝のドタバタがウソのようだが、ここからは時間に余裕があったので、歩きで移動することにしよう。丘珠駐屯地とつどーむの横を通り過ぎ、地下鉄・栄町駅まで来て、そのまま東豊線札幌駅へ出る。今回は何か目的があったわけでもなく、思いつきでエスコンフィールドに立ち寄ることも考えたが、この日はイベントで中に入ることができないらしくパス。折角の札幌だったが、結局、何もせずに快速エアポート新千歳空港へ移動、あとは空港で時間をつぶすことにした。まあ、この空港はダラダラ過ごすだけでも十分楽しいのだが。
快速エアポート
さすが新千歳空港、アジアからのインバウンド需要は旺盛で、キャセイパシフィックやエバー航空といったキャリアは軒並み大きめの機材を投入していた。今日は往路でJALのA350に狙いを定めいて、取れたのは17時発のJAL518便、コロナの影響もあってかなかなか乗れなかったA350に初めて搭乗する。日没後のフライトだったので外の眺めを楽しむことはできなかったが、羽田まで快適なフライトを楽しむ。朝の時点では本当にどうなってしまうか心配でならなかったが、とりあえず無事つながってよかった。スリリングな予定を組むのは勝手だが、まぁ、結果オーライとうか、ネタ話的にはむしろおいしかったのかも、、、ということにしておこう。(後日談:その後のトキエアですが、トラブルが絶えず苦難が続いています。過去に撤退したエアラインの二の轍を踏むようなことがないように祈りたいものですが。)
JAL・JL518便・羽田行き