■旅日誌
[2010/4] アニョハセヨ/韓国・釜山~ソウル
(記:2010/7/31 改:2021/7/11)
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GWを使って遠出を計画していましたが、思い切って韓国へ渡ることにしました。台湾新幹線、中国のCRHと東アジアの高速鉄道シリーズ第3段としてKORAILのKTXに乗ってみることにします。今回は、往路で福岡から高速船ビートルで釜山入りし、KTXでソウルへ移動したあと、復路は仁川からアシアナ航空を利用してみました。滞在中は釜山、ソウルの2都市で韓国の雰囲気を味わってきています。
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 0日目
ルート概略
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ANA259、福岡
今回は、思わず取れてしまったチケットをもとに一連のスケジュールを組んでいて、今日はその初っ端の福岡前泊ということになる。今日の羽田は南から西寄りの風がとても強く、到着機はBランに降りていた。とりあえず今日はただ福岡へ向かえばいいので、時間のことは全く気にしなくていい。というわけで、取れたのが夕方の便だったので羽田でもかなり余裕をみていた。そんなわけで、適当に時間をつぶそうと展望デッキへ出ると、目の前にモヒカンジェットがでーんと鎮座!!最近、列車などではよく見られるリバイバル塗装だが、ビッカビカの白地に水色が映えている。尾翼のマークと「全日空」のロゴも絵になってるなぁ~。二番煎じでもいいから、赤組の鶴丸も復活してくれると嬉しいものだが…。そんな感じでぼんやり眺めていると、後ろの方を見慣れぬエアラインが飛び立っていった。小さく見える赤い機体には「上海航空」という文字が入っていたようだが、初めて見るエアラインだ。さて、今日の福岡行きでは久々にB747に搭乗、南アルプス上空など見ながら順調に飛行を続けていた。
ANAモヒカンジェット
 1日目
ルート概略
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福岡、ビートル、釜山、海雲台、西面、チャガルチ市場
今日が実質の出発日のようなもので、まず手はじめにJR九州と拡大解釈して博多釜山間の高速フェリービートルを乗りつぶすことにしている。とまぁ、強引な理屈ではあるが、韓国に渡るのは今回が初めて、完全な単独行動も去年の台湾以来の久々のこととなる。福岡に前泊した理由は、朝10時のビートルに乗るためで、約3時間後の午後1時には釜山に着くことができる。地元福岡には、このジェットフォイルを利用して釜山に渡り、免税店目当てに日帰りする"ビートル族"なる強者もいるらしい。ところで、今朝のニュースではエア・プサンが取り上げられていたが、釜山→福岡の搭乗率はなんと90%だとか。逆の福岡→釜山でも80%なので、知名度が上がればもっと搭乗率も上がるものと思う。もっとも、いまは開設記念で往復なんと9,900円というプランがえらい人気だそうだ。
ビートル
博多駅前から、通勤客で満員になったごく普通の路線バスに乗り込み、15分ほどしてフェリーターミナルへとたどり着く。連休谷間の平日とはいえ、どの便も満席の様子で、早めに予約を入れておいて正解だった。受付窓口にはこれから釜山へ渡る人で既に長い列ができている。そんな慌しい中、密輸防止のキャンペーンとやらでマスコミの取材が来てたり、そのうち釜山からコビーで到着したりと、やたら多くの人でごちゃごちゃしている。JR九州のカウンターで応対してくれたは韓国姓の方と見受けられたが、流暢な日本語でささっと乗船券を発券してくれた。インターネット予約の特典として釜山の簡単なガイドブックを受け取ったが、予習してるヒマもなかったのでこいつは役に立ちそうだ。しばらくして出国手続きが始まり、イミグレーションを通って先へと進む。セキュリティも一般的な空港よりラフな印象を受けたが、確かにこれで出国したことになる。中の待合室はとても小さく、免税店と銘打ってるものの雰囲気はまるで駅の売店のようだ。ただ、缶ビールが税金なしの値段で売ってたのを見ると、確かに出国したのだと認識する。
ビートル
そうこうしてるうちに乗船を促すアナウンスが入り、早速ビートルへと乗りこむ。 船内は比較的広々としていて、飛行機のような窮屈さがなくてよい。時折、ワゴンサービスもやって来るので、まるで特急列車に乗っているような気分である。水中翼船型のジョットフォイルには他でも何回か乗った経験があるので、大方の雰囲気は予想ついたが、ちょっと天気が悪いときの飛行機といった感じだろうか?波は多少あったものの、総じて快適な船旅が続いていた。今日は天気もよく視界も開けていて、途中左手には対馬の島並みを見ることができた。(余談:そういえば対馬へ行ったときは釜山の方までは見えませんでしたが、地理的にもすごく近いことをあらためて認識しました。)ふと携帯に目をやると、アンテナはしっかり3本立っており、普通に利用できてしまったのも変な感じがする。やがて韓国側の陸地が視界に入ってきて、最後のワゴンサービスを利用してかるく昼食をとっておくことにした。
ビートル・釜山港
釜山港にはほぼ定刻で接岸、ビートルを下船し、セキュリティチェックと入国手続きを経て、いよいよ韓国上陸となった。出発直前にたまたま見つけたクーポン券を利用して、手数料30%オフでウォンへの両替を済ませる。今回は初韓国ではあったが、いきなりの徒歩移動でフェリーターミナルを後にする。大きな通りへ出て、地下鉄の中央洞駅が見つかれば、まずは何とかなるはずだけど…。よしよし、、、これで大丈夫だ。。地下鉄の駅通路をしばらく進み、下調べしてあったように地上へ出て、さらに歩いて予約してあった宿へ向かうことにした。
海雲台
口コミ情報では見つけづらいとは聞いていたが、事前に確認しておいたおかげで目的の場所には迷わずに着くことができた。フェリーターミナル近くの格安宿は外観はちょっと怪しいものの難なくチェックインもできてしまった。廊下に無造作に置いてあるボイルドウォーターも使い放題みたいだし、休憩室と呼ばれる部屋には電子レンジやトースターが置いてあって、冷蔵庫の中のパンとジャムは朝食として勝手に食べていいらしい。口コミ通りオンドル部屋はまるで自分の部屋にでもいるようで超快適、大きなPCにはLANまでつながっていた。何の気なしに洗面台に行くと思わず笑ってしまうような注意書きがあったが、まぁ気持ちはよく分かる。このままゆっくりくつろぐのもいいけど、初日とはいえまだまだ時間も十分あるし少々冒険に出掛けることにした。実は釜山については、何も前準備なしで臨んでしまったが、行きのビートルでにわか予習をしているとひとつ気になるところがあり、とりあえずそこへ行ってみることにした。そこは海雲台(ヘウンデ)という場所で、美しい砂浜に高級リゾートホテルやカジノが建ち並んでいるという。地下鉄を乗り継いで40分も行けばたどり着くらしいので、これから往復してみようと思う。
釜山・西面
知らない土地では地下鉄を乗りこなせれば、移動はぐっと楽になる。途中、乗り換えをして海雲台へ到着、地上に出ると都会とは違うちょっと開放感のある風景が目に入った。そのまま海の方へ進むと、最後にぱぁーっと視界が広がり左右遠くの方まで砂浜が続いていた。この時期はちょうど気候的もいい時期で、今日も天気がよくせいせいしてとても気持ちがいい。ガイドブックなどを見ると、海水浴シーズンともなるとものすごい人の数でいっぱいになるそうだが、今日は人の姿もまばらである。この雰囲気はまるでヨーロッパのリゾート地にでもいるようで、ただただ眺めてるだけでどこかスーッとしてくる。何も予習してなかったのがかえってよかったのしれないが、しばらく海沿いを歩いてみることにした。日本ではあまり見られない風景を満喫し、もう少し街中も歩いてみたくなったので、さらにひとつとなりの駅まで行ってみることにした。
南浦洞
再び地下鉄を乗り継いで、今度は西面という繁華街に立ち寄ってみることにした。近くには屋台街などもあり、冷やかしがてらしばらくウロウロしながら街の喧騒に身をおいてみる。別に何か目的があったわけではないが、どこへ行ってもアジアの雰囲気はワクワクしてくるものだ。ついでにロッテデパートで食料品を買い込み、地下街などをぷらっと歩いてみた。(余談:韓国では若い女の子同士で腕組んだり、手をつないだりするのが流行っていると聞いたことがあったが本当でした。)
チャガルチ市場
適当なところで街歩きを切り上げ、帰りも地下鉄で移動する。行きに乗ってた駅のひとつ先まで行っても宿に戻れそうなので、懲りずに歩き倒してみることにした。まだ日も高いし(余談声:日本と韓国は時差がない分、日が沈む時間が遅いことになります。)そうだ、チャガルチ市場へ行ってみよう…。ここもまた釜山を象徴するようなところで、ここら一帯魚市場の様相を呈している。無造作に置かれた太刀魚、ぶっきらぼうな掛け声、どこかで見聞きしたような露店活気があるというか、怪しいというか、なかなかいい雰囲気で、キョロキョロしながら歩いてるだけで十分楽しめる。そんな感じで初日はあっという間に終わってしまったが、明日にはもう釜山から移動する予定でいる。しばらくは天気もよさそうだし、この先も楽しみだ。(後日談:その後、釜山へ来る機会がありました。そのときの旅日誌はこちらをご覧ください。)
チャガルチ市場
 2日目
ルート概略
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龍頭山公園、釜山タワー、釜山、KORAIL/KTX、ソウル、国立中央博物館
今日はお昼過ぎの釜山駅発の列車(KTX)で陸路北上、ソウルまで向かうことにしている。なので、午前中は少し余裕をみてある。まずは釜山のランドマークでもある釜山タワーへ登ってみようと思う。このタワー龍頭山公園という小高い頂に建っており、白い塔は遠目にも目を引く。宿からもそう遠くなく、朝の散歩気分で人通りの少ない裏手の坂道を登っていくことした。ちょっと早めに来てしばらく周囲を散策してみたあと、9時ちょうどにタワーへと登る。釜山タワーは山の頂上にあるため、周囲にさえぎるものがなく釜山の街並みを一望することができる。実際登ってみると、その眺めはとても素晴らしく、ただ眺めてるだけで時間が経つのを忘れてしまいそうだ。こうしてあらためて見ると、釜山の街を中心に発展していったということが本当によく分かる。なだらかな斜面に囲まれた狭い土地に街全体がぎゅっと詰まってるようで、何となく神戸や長崎を思い起こす。ちなみに今日も天気がよかったこともあり、遠く対馬の島影もぼんやりと見てとることができた。
釜山タワー
そんな素晴らしい景色を眺めてると、本当に何時間も居座ってしまいそうなので、適当なところで切り上げることにした。龍頭山公園から再び徒歩で移動、正面からならエスカレーターで登れたのか…などと思いながら、次は国際市場へと寄ってみた。ここに来れば日常品なら何でも揃うと言われてる場所だが、市場というか、問屋街というか、こんな場所は日本にもあるし、確かに見てるだけでも楽しい…とまた、アジアの香り(?)を実感することになった。さて、もう少しだけ遠回りして宿に戻ることにしようか…。
釜山の街並み
遅いチェックアウトがOKなのもありがたく、ひと晩だけだったがすっかり馴染んでしまった。これなら思わずリピになりそうだ。中央洞駅からはKORAIL釜山駅までは地下鉄でひと駅、乗り換えのために一旦外へ出てみると、大きな駅舎がでーんと構えていた。KTXの開通で大きく建て直したらしく、建物の中も意外と立派な印象を受ける。今日はこれから陸路ソウルへ向かうことにしている。早速窓口へ並びインターネットで予約したときの控えを示すと、すんなりとチケットが発券されてきた。切符というよりクレジットカードのレシートのようで少々味気ない。カード決済も済んでいるので何もすることがなく、窓口のお姉さんはただ笑顔で対応してくれた。あまりにもあっけなく拍子抜けしてしまい、自分でも気がつかないうちに必要なことはすべて英語で済ませていたようだった。
釜山・国際市場
台湾新幹線中国・上海のCRHに続き、今回は韓国版の高速鉄道の利用と、これで東アジアの高速鉄道にひと通り乗っことになる、、、なんて、思わず乗り物好きモードにスイッチが入る。このKTXは、見たまんまの通りフランスのTGVがベースになっており、動力車が一番前と一番後に付いたいわゆるプッシュプル型の列車である。人が乗る車両は無動力の"客車"で、車両数は多いものの1両の長さは短く連結器のところに台車があり、日本の新幹線とは仕組みからして雰囲気が違う。これもまた日本と違って駅にはきっちりとした改札口があるわけでもなく、何となく人の流れに乗っていくと、暗くだだっ広いホームに降りていくことになる。列車ソウル方面からやって来て、折り返しのために一旦引き上げて再び入線してくるようだ。ところで、お昼も随分とすぎてしまったたが、昼食車内でとろうと考えており、面倒なので駅でお弁当を調達しておくことにした。売店に並んでたお弁当は種類もそれなりあり、あまり深く考えても仕方ないので、これ!って感じで指差しで選んでみると、丁寧にレンジで暖めてくれた。それはそれでありがたいのだが、駅弁というよりコンビニ弁当に近いのかもしれない。
釜山駅
列車釜山を出た後、しばらくは在来線を走るため、思ったよりスピードは出せないでいた。まだ完全な完成には至っていないようで、フルの時速300キロでぶっ飛ばしたかと思うとゆっくりと走ってみたり、まだ改良の余地はありそうだ。ただ、日本の新幹線とは違い、在来線と高速区間の直通が簡単にできてしまうので、運用の自由度は高いようだ。在来線区間では、ムグンファ号やローカル線の列車とすれ違うこともあり、何となくキョロキョロしてしまった。このKTXは特室車と普通車の2クラスがあり、日本でいえば特室車はグリーン車にあたる。今回は普通車を選択していたが、座席の配列は集団見合い式に固定されているので半分は進行方向と逆向きになる。シートピッチと窓枠の位置もあってないし、少々つくりは大雑把な印象を受けた。それと、通路頭上のモニターには時折速度が表示され、300キロとなった瞬間もそこでわかるようになっている。座席に座り、落ち着いたところでお弁当に手をつけることにしよう。分かっていたとはいえ、味付けは全く地元の人向けで、まぁ、そんな辛さの洗礼を受けるのも悪くはない。釜山らしくイカ足のピリ辛炒めと濃い味付けの牛肉のおかずは、とにかく白飯が進む。(笑)ちなみに車内でもお弁当や飲み物、お菓子といったものは買えるので、長時間乗っていても不自由はしない。本当はセマウル号でもっとゆっくりできれば、本格的な長旅になったのかもしれないけど…。都会を離れてしまうと単調な景色の連続で少々退屈してしまったが、KTXは順調に走り続け、漢江を渡ると、もう間もなくソウルの街は近い。少々遅れながらも列車は終点のソウルへ到着、わずか4時間ほどの列車旅だったが、終わってしまえばあっけないものだ。
KTX KTX
うわさには聞いていたがソウル駅はとてもとても大きな駅だった。荷物を引きずっていたのでの見物は遠慮しておこう。とりあえず、この荷物はどうにかしないとたまらない。まずはホテルに直行しよう。それにしても、さすがにソウル駅、地下鉄に乗り換えようにもすごい人の数である。そんな人の波を掻き分け、ようやく地下鉄の切符を買うことができた。それにしてもこの券売機、韓国語の他に、英語、中国語、日本語と結構優れものじゃない?!地下鉄そのものはどこの都市にでもあるものとそう変わらず、駅名表記がハングルだということと列車が右側通行だということを差し引けば、東京の地下鉄ともそう変わるものでもない。4号線に乗って南下、漢江を渡るために一旦地上に出て、その後9号線に乗り換える。
ソウル駅
日本がGWだというで足元を見られてるのかもしれないが、ソウル中心部ではホテルも予約が取りづらく、また値段も微妙に上がっているようだった。地下鉄で移動するのは億劫ではないし、逆に"乗ること"を楽しみにしてるくらいなので、少し幅を広げてホテル選びはしておくことにした。今回は河南近くの欧米系の新しいところを狙ってみたが、このランクにしてはハード面では十分すぎるくらいだった。いつものように5★クラスの豪華さは必要としてないけど、でもそのひとつ手前くらいのコストパフォーマンスのいいところ、という点ではうまく決められたように思う。事前の情報では日本語もOKのように紹介されていたが、結局1回も通じず仕舞いで、でも英語は通じたので、特に問題はなかった。無事チェックインも済ませ、ひと息つきたいところだが、今日はもうひと仕事やっておかなければならない。というのも、国立中央博物館が土曜は夜遅くまで開館しており、おまけに期間限定で入場料無料という大出血サービス中なので、夕飯を犠牲にしてもいいので見学に行こうと思っている。
国立中央博物館
再び地下鉄を乗り継いで、仁村というところまでやってきた。もう夕方なので人も車も出てくるばかりだったが、その流れに逆らい先へ進むことにした。最近引っ越してきたということだが、いざ立派な建物を目の前にすると、期待が膨らんでくる。無料ではあったが窓口でチケットを受け取り、早速中に入る。館内は3階建てだということが分かったが、とても天井が高い。さすがにもうこの時間ともなれば人の姿もまばらで、おかげで落ち着いて見学することができたような気がする。ただ、残念だったのはやはり時間が足りなくなってしまい、全部を見てまわることはできなかった。とりあえず1階の歴史ものの展示を中心にまわったが、貴重な展示物はどれも時間をかけて見ておきたくなる。中でも新羅朝の黄金の王冠を一番期待していたもので、あらためて間近でみるとなかなか心に響くものがある。この手の博物館にしては珍しく、フラッシュを焚かなければ写真も撮っていいみたいなので、いくつか記念に撮っておくことにした。できることならもう1度ここへ来て、2階と3階の展示物をみておきたいものだ。(後日談:その後、国立中央博物館に来る機会があり、心残りだった半跏思惟像を見学することができました。)
国立中央博物館・新羅朝の黄金の王冠
 3日目
ルート概略
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宗廟、昌徳宮、景福宮、徳寿宮、Nソウルタワー、南大門
とりあず今日は1日使ってソウル観光と決め込んでいた。まずはビギナー向け定番の王宮めぐりには行っておきたかったので、いくつかまわってみようと思う。移動の足はいつものように地下鉄なのだが、町中を少し歩いてホテルの最寄り駅とは別の駅に向かってみることにした。そんな感じであまり深いことは考えずに宗廟へ来てみると、まだ朝早いというのに人も多く何やらざわざわしている。しばらくして事情が呑み込めたのだが、なんと今日は年に一度、毎年五月の第一日曜で宗廟大祭が行われる日だということが分かる。こんな大事なこと行って初めて知るというのも恥ずかしいというか、いつものように妙な幸運に恵まれてるというか、まぁ結果オーライとしておこう。
宗廟
宗廟というと、一般的には氏族が先祖に対する祭祀を行うのことをいうが、ここソウルの宗廟(チョンミョ)は李氏朝鮮王室の先祖を祭ったである。今日行われる祭礼祭が直接宗廟に出向いて先祖に感謝し、国の安泰を祈る祭祀であり、韓国最大の伝統行事だという。李氏一族の末裔にあたる人々伝統的な衣装を身にまとい、昔がながらの楽章舞踊は一般にも公開され、有形・無形の文化財として価値が認められ、またユネスコの世界遺産にも指定された貴重なものである。この大祭の様子は、以前TVでもちらっと見かけたことがあったのだが、まさか目の前で見られるとは思いもよらなかった。真紅の伝統衣装整然とした舞、響き渡る楽章の音、大王奉納の様子など、やはりこの場にいて生で見ると、ちょっとした感動を覚えるものだ。いやぁ、相変わらずの運のよさには感謝しておこう。大祭永寧殿正殿で午前、午後に行われ、その後街中を一行が行列するらしいのだが、最後まで付き合ってしまうとこれだけで時間がなくなりそうなので、適当なところで切り上げることにした。
宗廟大祭 宗廟大祭
宗廟を後にして、続いては近くにある昌徳宮(チャンドクン)へ向かうことにした。歩けない距離でもないので、思い切って歩いてみることにする。大通りから少し離れると、都会の喧騒はなくなりどこか落ち着いた雰囲気に変わる。しばらく歩き続けると正面にあたる敦化門が見えてきた。歴史的な建物というより、観光地といった印象が強く、見物にやってきた人で賑わっている。やっぱ日本人は多いなぁ~などと考えてると、どういうわけか恒例のシャッターお願いします攻撃に遭う。まぁ、それで気分が悪くなるというわけでもないが、海を越えてもこうなるのは一体どうしてだろう?
昌徳宮
昌徳宮は、この後に続いて行こうとしてる景福宮の離宮として造営されたところで、その庭園建物は非常に評価が高いという。敷地の中に入り白い玉砂利が続く道を進み、錦川橋を越えてから、宣政殿大造殿と順にみていく。緑に多く囲まれた中を先に進んでいくと、王の日常の生活の場でもあった熙政堂など見ることができる。立派な構えをした王宮もそうだが、小さなところにも歴史を感じる。大都会の中にいるのがまるでウソのようだ。一見して静かな場所ではあるが、ふと遠くを見てみると大きなビルが建っていたりと、このミスマッチ感がいい。ひと通り見学し、続いて景福宮へ向かうことにした。
昌徳宮
再び大きな通りに沿って歩いて行くと、途中、東十字閣という建物がぽつん残されているのに出くわす。なんとなくソウルらしい景観ともいえる。復元工事中の光化門を向こうに見ながら景福宮の中へと向かう。ソウルの五大古宮の中でも一番大きい古宮だけあって、訪れる人の数も多くチケットを購入するのもひと苦労だ。その人の波の流れに沿って進んでいくと、正面に護衛の姿があった。景福宮は李氏朝鮮の王宮で、ソウルの地へ遷都されたときに築かれたという。現在でも光化門を本来あった場所に建築するための工事が行われているように、その後も歴史の波にもまれ、かつての日本統治の影響も強く受けた場所のひとつだといえる。早速に中に入ってみることにしよう。
景福宮
景福宮(キョンボックン)もまた中国の故宮(紫禁城)のように、門をくぐって、ひとつ、またひとつと奥の建物へと進みながら見学していくことになる。最初の勤政門をくぐると大きな広場の先に勤政殿が見えてきた。さらに思政殿、康寧殿と進んでいく。途中左手に出てみると池の中に慶会楼が姿をあらわし、王宮とはまた違った景色を目にした。石柱の上に建つ建物は季節によって違う表情を持ち合わせてるという。一番奥まできたところで、小さな池にかかる橋の向こうに香遠亭を見ておく。ひと通り見学したあと再び勤政殿まで戻ってきたところで振り返ると、北岳山をバックにかつて宮廷として威厳を保っていた様子が垣間見れる。正面に戻ってきたところで、護衛の交代式が行われてたので、見学しておくことにした。もよくそれにしても今日も天気がよく、気がつけばかなり汗をかいていた。
景福宮
景福宮を出たあと、光化門を背にして光化門広場を南下していく。途中振り返ってみたが、ここから光化門が見られるようにあるとまた印象が違ってくるようにも思えた。世宗大王像の脇を通り過ぎてさらに歩いているうちに、気がつけば徳寿宮(トクスグン)までたどり着いてしまった。徳寿宮景福宮昌徳宮に比べると規模は小さいものの、中和殿、石造殿、など歴史を感じさせる建物があり、都会の中のオアシスと言った感じで、ここもなかなか風情があっていい。こちらでもちょうどタイミングよく護衛の交代式が行われ、賑々しくも多くの人が見守るなか、一連の儀式を見学することができた。
徳寿宮
お昼にあまり時間をかけるつもりはなかったので、そこらのコンビニで軽く腹の足しになるものを買い込み、休憩を兼ねてそこらでボーっとしながら少し遅めの昼食をとることにした。今日も天気がよく、日の差すところにいると汗ばむくらいだ。気の向くまま少々無計画に歩いてきてしまったが、もう少し地理的な感覚をつかんでおくために、焼け落ちてしまったが南大門のあった場所を確かめておくことにした。工事用の塀には無残にも焼け落ちる様子が出されていたが、あらためて目を背けたくなる写真だなと感じる。そんなところにいても仕方ないので、とりあえず南大門市場にでも行ってみることにした。南大門市場といえば、アメ横などと比較すればいいだろうか、怪しい賑やかさのあるアジアンマーケットはどこへ行っても楽しいものだ。
南大門市場
一応、お土産の購入も考えたが、あまりにも天気がよかったので、買い物は後回しにして、急遽Nソウルタワーへ登ることにした。結構歩き疲れてきたところだったが、もうひと踏ん張り、ひたすら坂道を歩き通すとロープウェー乗り場には大行列ができていた。少々めげそうになったが、折角ここまできたのでその列に並び順番を待つ。1時間くらい待っただろうか、ロープウェーに乗ってようやく頂上にたどり着くこと、そこも人、人、人であふれていた。どうやらここも人気スポットらしい。Nソウルタワーは南山の頂上にあり、ここら一帯が観光地となっていた。あらためて目の前に聳え立つタワーに目をやりながら歩いていると、チケットを買うために再び待ち行列に並ばなければならないことが分かる。タイミングを間違えたかなぁ…とも思ったが、指定された時間になり、タワーのエレベータで展望台を目指す。
Nソウルタワー
散々苦労して登り切ったところで絶景を目にしたとたん、すべての疲れは一瞬にしてふっとんだ。「漢江の奇跡」ともいわれたソウルの街が眼下に広がり、360°の大パノラマは、言葉を失うばかりだった。北の方角には午前中に通ってきた古宮が、南は昨日見てきた国立中央博物館が、西日が逆光になってまぶしいがソウルの駅もはっきりと分かる。いやぁ、これは何時間でもボーっとしていられそうだ。(苦笑)といっても、やっぱり切りがないので、絶景を目に焼きつけて、この場をあとにすることにした。登ってくるのが大変なら下りもまた同じで、ロープウェーに乗るのに何十分も待ってしまったが、あまり時間のことは気にしないようにして、どうにか降りてきた。体は疲れてクタクタなはずなのに、このまま帰るのがとても惜しいように思えてくる。再び南大門市場へ戻って、街歩きしながら喧騒の余韻にでも浸ることにしようと思う。
 4日目
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水原、水原華城、東大門、明洞、南大門
昨日は定番観光コースに終始したが、効率よく見てまわったので、あらためて今日はまた違ったところに行ってみることにした。当初、板門店かDMZの見学も考えてみたが、曜日が合わずツアーは開催されないのでそいつはパス、また次の機会にでもするとして悩んだ挙句、水原を目指すことにした。ソウル市内から少し離れたところにあり、プチ移動(?)というアクセントも加えてみたかったのも理由にあった。(後日談:その後、板門店を見学する機会がありました。そのときの旅日誌はこちらをご覧ください。)
水原華城
地下鉄1号線から直通する普通電車に乗ればいいことは違いないのだが、やって来るのは仁川行きはばかりで、目的の水原方面へ向かう電車はあまり本数がない。辛うじて読み解いた時刻表によると、もうそろそろやってきてもいい時間にはなっている。多分、ダイヤは遅れるものと考えた方がいいらしい。そんな感じで慣れないハングル表記の行先に注視しつつ何本も見送ったあと、多分これだろうと思い切って乗り込む。結果は正解、もしミスればまた何十分も待たなければならないので少しだけホッとする。が、その後も乗り過ごしちゃいけないと思って妙な緊張感が続いていた。身動きが取れないなりにも車内の路線図とアナウンスを頼りに何とか水原で下車、トータル1時間以上かかってようやく到着できた。きっと地方の田舎の駅だろうと勝手に思い込んでいたのでちょっと印象が違ったが、着いてみればかなり大きなだった。東京近辺で言ったら小田原とか川越とかいったところだろうか?まず最初に改札口脇の観光案内カウンターへ行ってみたが、どうもいまひとつしっくりこない。一旦外へ出たあと再びへ戻ってみると、の建物とは別に観光案内所があり、あらためてバスの場所と乗り方を教わった。というわけで、今日は路線バスにもチャレンジすることになる。
水原華城
城郭の入口となる八達門でバスを降りると、街の様子も随分と違うように感じた。なかなかそれっぽくていい雰囲気だ。早速、西の方に向かって歩いていくと、思ったより高い場所城壁があることが分かる。1周すると4、5キロはあるそうなのだが、とりあえず城壁に沿って歩いてみることにしよう。場所によっては万里の長城のように、高低差のあるところを上り下りする。そしてのところどころには監視所や秘密の出入り口などもある。を上りしばらくすると、西側で一番高いところにある西将台へと出てきた。ここからは水原の街を見渡すことができて、休憩しながらボーっと眺めてるのに都合がよい。再び歩き始め、砲台や監視する楼など見ながら先へ進む。城壁の外には高層住宅なども多く建っているので、ここらはソウルの通勤圏なのだろうか。
水原華城
出発してからおよそ半周すると長安門にたどり着く。道路が整備された現代社会からすれば、ただ車の流れを邪魔してるようにも見えるが、なかなか立派な門なので外からも眺めてみることにした。疲れたらここで引き返そうとしていたが、時間も体力も思いのほか残っていたので、再び城郭めぐりに戻ることにしよう。次に見るべきポイントとしては華虹門があり、ここは川の流れと建物がマッチしたなかなか絵になる場所だ。水原の華城の見学には龍の形をしたバスのような乗り物も利用できるので、歩くのに自信がない人でも気軽にまわれるようだった。さらに東の方へと歩みを進めていくと、再び観光地らしい風景が目に留まる。蒼龍門の周囲はきれいに整地されていて、見学のバスも乗りつけていた。相変わらず城壁づたいに歩き続け、丸っぽい大きな建物を見ていく。東側にも砲楼などいくつかあるもののあまり目立った建物はなく、城壁の外に大きな教会が見える頃には観光で来てる人の姿はまったくなくなってしまった。最後に東南角楼を過ぎて道を下っていくと、城壁はここで一旦途絶えてしまった。
水原華城
最初は1、2ヶ所程度見学するつもりだったが、結局3時間近くかけて、一周してしまった。街歩きというより、すっかりトレッキングのようだ。八達門に戻る前に地元の市場のようなところがあったので、別に買い物をするわけでもなかったが、少しのぞいていくことにした。地のものを扱うお店が連なっていて、ここらあたりの日常生活を垣間見たような気がして、それはそれで楽しかった。そんな感じで出発点まで戻ってこれたが、への戻り方をきちんと聞いてなかったせいもあり、帰りのバスを探すのに少し迷ってしまった。最後には冒険気分で適当に路線バスに乗ってみたが、意外とあっけなくへ到着、疲れも蓄積してきた頃だったので少しだけホッとできたように思えた。
ムグンファ号
体力の消耗と多少の気疲れを回復すべく駅ビルフードコート昼食をがっつりとっておくことにする。辛いものは即効性があるのか、ケロッと復活したところで今度はソウル駅までムグンファ号の席取りにトライ、多少緊張しつつ窓口に並んでみたが、これまた簡単に席をとることができてしまった。英語が通じると妙にホッとするものだが、ムグンファ号は日本でいったら急行みたいなもので(最近の日本のJRは特急ばかりだけど…)、1本おいてその次の便を取ってくれたようだった。およそ10分後にやって来た列車釜山からソウルへ向かうムグンファ号で、利用する人も通しで乗るというより、途中の駅で乗り降りすることが多いようだった。ムグンファ号の多くは機関車客車を引っ張るタイプで、ソウルまではわずか30分ほど、これならもっと乗っていてもよかったかも…。途中、鉄道博物館らしきものが目にとまったが、さすがに気がつくのが遅くここはやり過ごしたが、その手もあったのかなと思う。
東大門
こちらへ来てずっと天気がいい日が続いていたが、今日は一日中、曇天だった。でも、昨日のように晴天で気温が上がっていた中、水原華城をまわっていたら相当体力を消耗してと思うので、これでよかったような気がする。ムグンファ号を降りたあと、おとといは余裕もなかったので、よく見られなかったソウル駅を少しだけ見回しておく。うまく表現できないが、海外のターミナル駅はどこか風格というものが感じられる。日本の駅とは違いきっちりとした改札口がなく、比較的自由に行き来できる。いくつかあるホームを見てまわるとセマウル号が停まっているのにも機がついた。最後になってネタが尽きた感があり、とりあえず東大門あたりへ行ってみることにした。今日も地下鉄を乗り継ぎ、移動する。1号線は左側通行なのか、、、とどうでもいいことに気がつく。東大門近辺にある市場というか怪そうなお店が立ち並ぶ入り組んだところを少しウロウロしてみた。よくは分からないが、目的もなくこういったところを見ていくのもそれはそれで楽しい。そんなことばかりしてると、それこそ時間がいくらあっても足りないので、建設途中の大きな工事現場を横目に再び移動し、地下鉄を利用して明洞にも寄ってみることにした。
南大門市場
明洞は、東京でいったらまぁ新宿とか原宿とかそういった場所で、目的もなく長居するようなところでもないし、今回はどんなところか通り過ぎておく程度にした。確かに、若い人向き(?)のソウルきっての繁華街だということは1、2分歩いてみればすぐにでも分かる。何やらプロモーションらしきことをやっていたりするのも日本もそう変わらないし、あえて言うなら外人相手の両替場所が目立つのが日本と違うことくらいだろうか。最後の最後にお土産ものでも調達しようと思い、南大門市場に寄ってみる。昨日にも増して、人の波押し寄せてくるようだった。繁華街の中を歩いてるだけでも、日本人と分かれば向こうからセールストーク炸裂となり、まぁこちらも冷やかし半分、適当に話を合わせながら必要な買い物を適当に済ませる。さぁ、これで最後かな?などと思いながら、近くで食事をしておくことにした。よく、人が多く入ってそうなお店を選ぶといいと言いうが、コツのようなものも何となく分かったような気がする。少々欲張って石焼ビビンバと手打ちうどんを注文してみたが、意外だったのは付け合せのキムチはいくらでも食べられてしまうこと、、、とまぁ、最終日もとりとめもない1日になってしまったが、明日は帰国の予定だ。今にしてみれば、もうちょっと遅い便でもよかったかも…。
石焼ビビンバと手打ちウドン
  5日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
A’REX、仁川空港、OZ104、成田空港
過ぎてしまえば5日間なんてあっという間だ。いつものように朝食を済ませ、早めのチェックアウトに備える。朝食も、超豪華というわけでもなく、まぁそこそこの種類だったが、白いご飯と味噌汁はありがたかった。あと、隅っこの方でうどんとチジミを作ってくれるサービスはなかなか気が効いていると思った。こんなところですごく印象が変わるものである。結局、日本語が通じる場面はまったくなかったが、特に引っかかることもなくチェックアウトを済ませ、ホテルを後にする。3泊もすれば慣れ親しんでしまうもので、何回か通ったコンビニの前のだらだらした坂道を下っていく。名残惜しいが、これでソウル滞在も終わりを告げた。新ノヒョン駅から9号線に乗り込もうとすると、ちょうどうまい具合に急行電車が入ってきた。この路線はソウルの地下鉄の中でも一番新しい路線で各駅停車と急行列車が別れて運転されている。程なくして終点の金浦空港駅へ到着、そのままA’REXに乗り継ぐ。
A’REX
A’REXと呼ばれる空港連絡鉄道はまだ新しい路線で、日本で言ったら成田とか関空にでも向かうような雰囲気に近いような気がした。地下鉄9号線からは暫定始発駅である金浦空港駅で乗り換える。金浦空港駅を出発して、しばらくすると地上に出てくるのだが、すっかり郊外の農村といった雰囲気で、ソウル近郊の都会の賑やかさがまったくウソのようだった。長い橋を渡ると目的地の仁川空港駅へ到着、人の流れに乗るようにして列車を降りる。仁川空港まではほとんどの人がバスで移動するものと思うが、こちらはまったくのガラ空きでかなり寂しい。A’REXソウル駅まで全通したらもっと便利になるとは思うのだが…。
仁川空港
通しで買った切符はいつものように回収機へ持っていき、デポジット金を受け取る。ここで500ウォン硬貨が返ってきてもどうしようもないのだが、カードを記念に持って帰ればよかっただろうか?ここまで予定通り順調にスケジュールをこなし、あとは空路成田へ帰えるだけである。とりあえず帰りも乗り物好き根性(?)を出してアシアナ航空を選択していたのだが、日本のエアラインと微妙な違いでもないかと少しだけ期待をしている。まぁそうは言っても東京便なので、乗ってる客の多くはは日本人だろうけど…。
仁川空港・アシアナ航空
KORAILの駅からはダラダラと長い通路を進んでいき、まずは出発便のチェックインカウンターを探す。北京もすっかり立派になってしまったし、仁川空港もアジアを代表するハブ空港として着々と進化してる。チェックインが終わってしまえば、あとはやることもないので、出国手続きを済ませてセキュリティの先まで入っておくことにした。仁川空港は人の動線を考えて設計された空港だといわれているが、確かにすんなりと通れてしまったように思う。もう既にお土産も買ってしまってるし、免税品もあまり興味がないのでお店を見てまわるといっても、ただ目的もなくウロウロしてるだけだった。これからアシアナ便を利用するので、当たり前といえば当たり前だがアシアナ航空の機材が多く行きかっていた。そんな様子をぼんやり眺めていると、ちょうど茨城空港行きが出発するところで、まさかこの便仁川で見送ることになるとは夢にも思わなかった。昨日に引続き今日も曇りがちの空模様で、向こうのターミナルのKAL機が少しかすんで見えるような気がした。
アシアナ航空・OZ104便・成田行き
ソウルから成田までは約2時間とちょっとのフライトになる。アシアナ航空は人気のあるエアラインでもあり、一度利用したいと思っていたが、今回はちょうどいい機会になった。やはりここでもGWの影響か、大型のB777が使われていたにもかかわらず、座席はほぼ満席だった。特に問題もなく搭乗機仁川空港を離陸、厚い雲が低く立ち込めてたせいもあって、すぐに空港の姿は見えなくなってしまった。(後日談:この半年後に再び仁川へ来る機会がありました。)
OZ104便の機内食
飛行時間が短いので、準備が整うとすぐに食事の提供が始まる。飲み物もいっしょに頼んでみた。辛いものが出てくるかと思いきや、さわやかなほのかに柑橘系の風味のあるご飯はちょっと意外だった。まぁ、Yクラスなので、手厚いサービスは期待してはなかったが、とりあえず気持ちよく過ごすことができた。あまり窓の外に目を向けることはかったが、気がつけば伊勢湾はとっくに通過していて大島あたりから房総半島へめがけて旋回していた。霞ヶ浦がちらっと見えたあと再び向きを替え、B滑走路へ南向きに着陸した。
OZ104便の機内の様子
さて、今回は福岡から高速船釜山へ上陸し、KTXソウルへ向かい、ぐるっと一周してきたわけだが、実はよその国から自国へ片道航空券を買うのは意外と難しいことで、今回はとある旅行会社で手配ができたためこのルートが成り立った。お隣の国とはいえ、海外も絡めた少し複雑な段取りを初めて組むことができたので、この程度なら何とかなるのかな?と少しだけ自信が持てたような気がする。帰国後の最後の締めは、新しいN’EX(E259系)で武蔵小杉まで出たが、このルートはかなり使えそうだ。ただ、駅構内をひたすら歩かされるのはちょっとしんどいけど…。と、そんな感じであっという間に日常に引き戻されてしまったようだった。
N’EX