■旅日誌
[2010/3] 逆風に向けて~茨城空港開港
(記:2010/3/28 改:2015/11/1)
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無駄だ、無駄だ、、、という世の中の声をよそに、茨城空港が開港しました。もともと自衛隊の百里基地があったところに滑走路を1本新設して軍民共用のような形で運用が始まりました。関東第三の空港といえば格好よく聞こえますが、羽田と成田が至近距離にあるのになぜ空港が必要なのか?というのが大方の見立てであり、開港時に就航するのがソウル・仁川一往復だけ、国内線はゼロというなんとも寂しい状況です。全国空港制覇のためにはソウル便に乗らないといけないと悩んでいたところ、スカイマークが開港記念の特別便を飛ばすことになり急遽遠征することにしました。
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 日帰り
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
茨城空港、SKY144、羽田空港
そんなこんなだったが、結局茨城空港開港してしまった。国内線はゼロ、海外もアシアナ航空のソウル便が1日1往復と惨憺たる状況だが、遅ればせながらスカイマークが神戸便を就航させることを表明。しかし、神戸便が就航するのは2ヶ月以上先の話で、結局開港には間に合っていない。また、2つの路線が搭乗率100%だったとしても当初の需要予測には足元にも及ばす、いかにいい加減な数字だったかということを露呈していた。これでは無駄だ無駄だと叩かれても仕方ない。散々扱き下ろされた静岡空港よりもさらにひどいとしか言いようがないが、今度こそ最後の地方空港らしい。まぁ、それも怪しいいものだけど…。(後日談:その後、神戸便と深セン便を利用する機会がありました。そのときの旅日誌はこちらこちらをご覧ください。)
茨城空港
いまさら言うまでもないことだが、関東地方には羽田、成田と大きな空港がある。素朴な疑問として、じゃぁどうしてこんな近くにもうひとつ空港が必要なのか、はっきり言ってよく分からない。2つの巨大な空港のバックアップにしては貧弱だし、差別化ということで高い離着陸コストを抑え格安エアライン(LCC)の受け皿にするとも公言していたがどうも本気度合いが伝わってこない。確かによその国をみるとその考え方には一理ある。でも、肝心の当事者の緊張感が追いついてないというか、結局具体的な結果が出ていない。例えば、スカイマークで神戸から5000円で来て、ジェットスターあたりが2万円でオーストラリアへ飛ばしてくれたりすると、かなり魅力的な旅が組めるように思うのだが…。同じように他の地方空港からも格安で飛んできたり、あるいは東京だったらバスで1500円とか、やり方次第で十分客はついてくるような気がする。アジアに目を向ければ、お隣の国くらいの距離なら5、6000円といった料金設定も珍しくないことだし、そこらをうまく取り込んでLCCのハブ空港にしたら面白いと思うんだけど、そんなのは素人の妄想だろうか?結局のところ、民間用に新設した滑走路をちゃっかり使えるようにしてもらった自衛隊が一番美味しい思いをしたようにも見えるのは、気のせいだろうか?
茨城空港・開港初日
とりあえず難しい話はおいといて、新しい空港開港したということは、空港制覇のタイトル防衛のためには乗るか降りるかしかければならないわけで、いつものように妙な義務感を感じていた。(苦笑)ところが、前出通りソウル便しかないと分かったところで、空港制覇のためだけにソウルへ飛ぶか実はかなりマジメに悩んでた。そんな折、スカイマーク開港記念のフライトを飛ばすということを知り、これはもう乗るしかないと心に決めていた。結局のところ、その後になってスカイマークは神戸便も定期就航させることを正式に表明したため、無理する必要はなくなったのだが、記念フライトの中で設定された羽田へ向かう便は、もの珍しさも手伝って速攻予約を入れてしまった。当日のスケジュールをみると神戸の間を1往復半したあと、羽田へフェリー(回送)するように見受けられたが、そこでもお金を取って乗せてしまおうという発想は、商売上手というかマニアの心理をついたうまいアイデアとしか言いようがない。分かっていながらそれに踊らされる自分もどうかと思うが、まぁ今に始まった話ではないので深くは考えないようにする、、、それより、開港初日って平日なんだけどホントに休暇が取れるのか、そっちの方が心配だ。
スカイマークの開港記念特別便と台湾の復興航空チャーター便
百里基地で航空祭が行われる日は、周辺の道路が絶望的(?)な大渋滞に陥ることはよく知られている。開港初日なら見物人が集まることも十分に予想がつくので、さすがに地元もそこは対策を考えているようだったが、それでもどうなるか分からないので少々早めに出掛けることにしていた。ついこの間乗ったばかりの常磐線で石岡駅へ出て、ここからバス空港へ向かう。ありがたいことに開港初日は無料のシャトルバスが20分おきに運行されるので、迷わずこいつを使う。結果的には思ったほど道路は混雑しておらず、からは30分強で到着することができてしまい、多少肩透かしをくらった感はあるが、まぁいい方に外れた分には許してあげましょう。(笑)それにしても、このアクセスの悪さはまずい気がするけど、静岡同様空港周辺の道路だけは無意味に整備されているなぁ~。そういえば、鹿島鉄道の廃線跡をバス専用道路にする工事も行っていたが、あまりにもチグハグなような気がする。
アシアナ航空・ソウル仁川行き
うわさ通り空港の駐車場は贅沢なまでにだだっ広く、正面には筑波山の姿がよく見えた。とりあえず天気もいいし、まぁお祝い日和といったところだろうか。空港の中もそれなりに祝賀ムードが漂い、狭い空港の建物は多くの見物人で溢れていた。既にソウルへ向けて出国手続きする人の列も出来ていて、この瞬間だけは賑わっているように見受けられる。しかし、平時に戻ったときはどんなものか見てみたい気もする。早速展望デッキに出てみると、神戸からのスカイマークの初便は既に到着しており、折り返しの出発にかなり手間取ってる様子だった。そのうち、台湾からのチャーター機が到着、馴染みのないエアラインの姿を見たりしてしばらく時間をつぶす。ちなみに今夜にはJALのハワイへのチャーター便も出ることになっているらしい。滑走路を挟んだ向こう側には自衛隊のエプロンなどがあるのだが、展望デッキのガラスは偏光ガラスになっていて向かって左側が曇って見えないようになっていた。ちなみに開港初日の今日も、訓練はいつも通りに行われている様子で、爆音を上げながら自衛隊機の離着陸は何度も行われていた。そちらを見てるほうが楽しいという声も聞こえそうだけど。
スカイマーク・SKY144便・羽田行き
2階建ての建物の中は小さな売店とフォードコートがある程度で、お世辞にも空港という雰囲気ではなかった。とりあえず今日は人もいっぱいいるので賑わっているようにも見えるけど、普通の状態に戻ったらどうなってしまうのか、やはり心配に思えてくる。また、一般の人以上に目立っていたのが報道陣の姿で、地元のNHKの生中継など、あまり普段見られない光景を少し遠巻きに見守ったりもしていた。その後、唯一の定期便であるアシアナ航空が到着、出発するところまで見届けて、目的の便の時間がやってくるのを待っていた。結局、午前中の遅れが大きく響いて、羽田行きの便の出発は1時間近く遅れるらしい。とりあえず今日は休暇も取れているので、あまり時間の心配はしていない。しばらくしてお祝いムードの中、搭乗記念の品など受け取ってセキュリティチェックを受ける。待合室の中は開港記念フライトと書かれた看板をバックに記念撮影している人などもいてどこかそわそわした空気だったが、このエリアには飲み物の自販機があるくらいで本当に何もなく、まるで離島の空港のようだった。それでも、本当に国内線が来なかったこの部屋も使われないわけだし、ちょっと複雑な思いがする。ようやく神戸からの機材が到着、これからSKY144便として羽田へ向かう段取りとなった。
スカイマーク・SKY144便・東京行き
コストを押さえるためにこの空港はボーディングブリッジはない。簡単な通路には一応屋根は付いていたけど、少し風が吹いたら雨に濡れてしまいそうだ。ほとんどの人が記念に写真を撮ったりと、ここでもお祝いムードといった感じで、無駄だと文句は言ってみたもののやはりわくわくするものだ。早速、目の前のスカイマーク機に乗り込むことにしよう。それにしてもスカイマークを利用するのはいつ以来だろうか、物好きの集団で満席となった本日限りの特別便SKY144便羽田へ向かって離陸した。風向きのせいか離着陸の方向もコロコロ変わっていたが、北東の方角へテイクオフ。しばらくして筑波山を左手後方に見ながらほぼ逆向きに方向を変える。その後、霞ヶ浦のやや北側を飛んでいるのが分かった。わずかばかりの時間だったがベルト着用サインが消灯し、利根川の上空を過ぎると南北にずれた成田空港の2本の滑走路も見えた。水平飛行してる時間はほとんどなく、やがて房総半島の上空で進路変え木更津側からファイナルアプローチ。結局、羽田には予定よりおよそ1時間20分程度の遅れとなり、当初20分と見込まれた飛行時間も40分以上かかっていたようだ。SKY144便を降りると、到着した機材は旭川へ向かうようで、きっちり使いまわすところはさすがスカイマークだなと関心する。どんな扱いがされてるのか気になって、最後に到着口の掲示を見に行くとお手製の掲示板が個別に出ていた。到着案内に「茨城」の文字を期待したのだが、まぁ、それは有り得ないことなのかな?そんな具合で、定期便ではなかったが、無事茨城-羽田間の遊覧飛行は終わった。よし、一応これで空港制覇のタイトル防衛完了としておこう。
羽田空港 羽田空港