■旅日誌
[1995/6] いざ山形へ
(記:2000/5/15 改:2015/11/1)
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山形へ仕事で出張することになりました。ついこの間までは全国の営業拠点を手分けして回っていましたが、あるイベントをきっかけに工場とも連携をとっていこうということになり、第一弾として鶴岡と山形に出向くことにしました。忙しいピークは乗り切ったと感じてましたので、1日だけ余計にもらいちょっとだけ気分転換させてもらうことにしました。
 1日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
東北新幹線、盛岡、田沢湖線・奥羽本線/たざわ、羽越本線/いなほ、鶴岡
この日は朝から雨が降っていた。東京駅で折り返しの新幹線を待つ。目の前に止まってる車両の屋根に落ちた雨は側面を伝って滝のように落ちていた。ダイヤに遅れが出るようなことはなかったが、うっとおしいことには変わらない。出張とはいえこうやって旅に出るような余裕もあまりなかったので、今回はちょっとしたご褒美のような気もどこかにあった。
これまで盛岡まで新幹線を乗り通したことはなく、いずれ秋田新幹線の工事が本格化すれば今の姿の田沢湖線は運休に入ってしまうのでそれらを行きのルートに入れてみた。これから乗ろうと思ってたやまびこは時刻表をみると2階建てのはずなのだが、今日に限って普通の車両が運用についていた。何ヶ月に一度の定期点検だと思うのだが、運がいいというか悪いというか微妙なところだ。
盛岡へ来ても不運は続いた。既に秋田新幹線の工事はあちこちで行われていたが、秋田駅でトラブルがあり田沢湖線のダイヤが全般的に乱れているらしい。乗り換えようと思ってたたざわの到着は30分以上遅れが見込まれ、1本運休扱いにして次の筋で秋田に向かうことになってしまった。ホームではたざわを待つ人でごった返している。こうなると指定席も自由席もなくなり、秩序がどうこうといったことではなくなる。そんな中、ふとホームの端の方向に目をやると、神々しくオーラを発する人物が近づいてきた。意外と小柄に見えたその人物は、ポーチを小脇に抱え大きな荷物はすべてお付の人にすべて任せて笑顔で歩いていた。(You are king of king.../ありがと!)きっとあの方はグリーン車のご利用だと思うが、1本間引かれるとどんな扱いになるのだろうか?
横から割り込みしてくる人など混雑の中うまく群集を掻き分け、運良く座席を確保することができた。木々の緑が車窓に映え、きっと新幹線から見る景色も一段と素晴らしいことだろう。この田沢湖線ももうすぐしたところで改軌のため長期運休となる。山形新幹線のときと同様、何ヶ月もかかる大工事だ。その間は北上線が迂回ルートに使われるらしい。大曲でスイッチバックし方向転換すると既に3線レールが敷かれているところもあった。恐らくこのお古の車両もやがて引退となるだろうが、温度コントロールがうまくできてないようで異様に冷房がきつかった。隣に座ってた人がたまりかねて車掌に申し出ていた。ダイヤの乱れで途中抑止をくらいながらやってきたが、最後の最後、秋田駅へ入線する手前で大抑止をうけてしまった。(後日談:秋田新幹線開業後の旅日誌はこちらこちら、さらにこちらもご覧ください。)
元々余裕を見ておいたので幸いにも乗り継ぎの予定が狂うことはなかったが、秋田駅の工事状況など確かめる間もなく次の特急に乗り換えなければならない。今度はいなほで日本海側沿いに羽越本線を南下していく。途中アクシデントもありヒヤヒヤしながら乗り換えを繰り返してきたところで、あらためて遠くへ来た実感がわいてくる。鶴岡に着いたときには午後随分な時間になっており、工場の担当者には顔見せ程度の挨拶だけして、明日の仕事の段取りなど伝えるに留めておいた。
 2日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
鶴岡、山交バス、山形
今日は朝から作業を行う。打合せはほとんどなく、PCに向かってのセットアップ作業をひたすら行う。やはり現地に来てみないと分からないことが多く、かなり手間取ってしまった。余裕をみて午前中いっぱいと言ってたのが、ギリギリお昼に間に合った感じだった。(余談:Windows95が出る前でしたので、Windows3.1環境でした。TCP/IPをMS-DOS上のドライバとして組み込まなければならない…なんてことは、いまの人には通じないんだろうなぁ~)まぁ結果的に間に合ったのでよしとしよう。午後は簡単に説明などを行い、3時頃鶴岡の工場をあとにした。今日はこのまま山形へ向かうことになる。月山を越え、高速道路を一部利用してのバス移動だった。(後日談:あらためて鶴岡へ再訪したときの様子はこちらもご覧ください。)
 3日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
山形、天童
今日も朝一で工場入りする。やるべきことは昨日とほとんど同じ作業になる。セットアップを任されたPCは昨日以上に「ゴミ」が多く、まず余計なものの掃除に手間取ってしまった。(余談:もちろんWindows3.1です。)結局今日も午前中いっぱいかかってインストールを行い、午後から説明という流れになってしまった。解放された後、山形駅へ戻り、ちょっと近くをぷらぷらしてみることにした。自分ではあまり気がつかなかったが、結構プレッシャーがかかっていたようで、何か重圧から解き放たれたような気分になっていた。そのうち雨が降り出し、予約を入れてあった宿へ移動するために天童まで移動する。晩飯を近くで済ませ、部屋に戻ってしばらく外を眺めていた。どれくらいの時間だっただろうか、意味もなく近くの山にかかる雲を見ていた。
 4日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
奥羽本線/こまくさ、横手、北上線、北上、八戸
気分の問題かもしれないが、目が覚めたときも何となく昨日の開放感が未だ残っていた。6月というとちょうどさくらんぼの季節にあたる。どこも立派なさくらんぼを売っていたが、こうやってまじまじと見たことなどなかったせいか、これほど高価なものだとは気がつかなかった。それでも何箱も買っていく人がいるのだから驚きだ。
普通列車で一旦山形へ戻り、あらためて特急に乗り換える。沿線ではさくらんぼの果樹園が目につく。特急の割りにこまめに止まりながら北上し、横手で乗り換えをする。未だちょっと時間があるなと思って油断していたら、北上線の普通列車を待つ列がとても長くなっていた。しまった、こりゃぁ痛い失敗だ。北上線の沿線には温泉やら湖やら意外と観光スポットが多いのだが、結局十分車窓を楽しむことができずに北上線は過ごすことになってしまった。そんな感じで消化不良気味のまま北上線を後にする。
東北線の普通列車で盛岡へ移動し、はつかりに乗って八戸を目指す。週末のせいか思いのほか利用者が多く、自由席の座席は埋まっていた。今夜の宿は今まで泊まったことのない場所を探し、いい加減に決めた結果が八戸だった。
 5日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
八戸、青森、奥羽本線/いなほ、奥羽本線/こまくさ、山形
東北本線の八戸駅は市街からかなり離れた場所にある。一番近い駅ということになると八戸線の本八戸駅になるが、それでも繁華街から結構離れている。ぽっつりぽっつり歩きながら本八戸駅までやってきた。今日はちょっと遠回りして帰ることにしよう。
青森駅で奥羽本線の特急に乗り換える。そういえば、奥羽本線で一部通ったことがない場所があるような気がする。秋田駅で山形方面に乗り継ぐのだが今日もトラブルがあったようで、何日か前と同じように秋田駅へ入線する手前で抑止をくらった。こまくさに乗り換えた後、大曲までは再び工事区間を走ることになる。新幹線開業後は違う線路幅の路線が2つ並行した形になるのだろうか。奥羽本線は秋田から山形へ抜けるルートをたどるのだが、国境越えはやや寂しいところを通っていくことになる。既に開業した山形新幹線とまもなく開業する秋田新幹線が開業した後の山形-大曲間は、狭軌で取り残されたような格好になるが標準軌に改軌されることはないだろう。(後日談:その後山形新幹線は新庄まで伸長されましたが、その先は厳しいでしょうね。)
山形に近づくにつれ車内はかなり混雑してきた。このまま山形で一斉に乗り換えとなる。山形新幹線の効果がどうか分からないが、物凄い人の移動だ。これ程混雑しているとは思いもよらなかったが、このまま1本落としても座れそうもない。とりあえずつばさに乗り込み立ったままでも行けるところまで行ってみる。
結局、席に座れたのは上野駅だった。(笑) これでは何のために遠回りしてきたのかわけが分からない。とりあえず次回があるとすれば、もう少し計画的にまわることを考えたい。