■旅日誌
[2009/1] ボアタージ、カマラー!
(記:2009/2/28 改:2022/2/10)
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JALグループで新しい機種が就航することになり、何となく乗ってみたくなったので思い切って出掛けることにしました。予想通り初便は満席でしたが、その後になると若干空きがあり、毎度ながら勢いで予約をしてしまいました。今回は福岡から名古屋小牧までのフライトでしたが、その前に長距離フェリーで一泊しています。
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 1日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
彦根、阪九フェリー、六甲アイランド(神戸港)
いまに始まった話ではないが、景気の悪化や原油高騰のあおりをくらって、どの航空会社も厳しい状況にある。おまけに会社間の競争は激化する一方、、、そこで、効率のいい経営という点で使い勝手のいい小型を導入するという施策がとられる場合がある。J-AIRはJALグループの中でリージョナルジェットを飛ばすオペレータだが、従来機=CRJよりひと回り大きい機種の導入を決め、この2月から就航することになった。その新しい機種というのはエンブラエル170(E170)というもので、ブラジルの会社が製造したフリートである。ボーイング、エアバス、ボンバルディアに続く第四のメーカとも言われ、このクラス(=定員が70~100人くらい)としては結構善戦しており、世界的にもシェアをとっているという。今回、日本では初めての導入ということだが、どんなものか興味本位で駆けつけてしまう形になってしまった。
東海道新幹線
E170の営業初日は2月1日だったが、前日、移動途中に少し寄り道することにした。台湾から戻ってきたばかりだったが、まぁいつものようにあまり深いこと考えないことにしよう。奇しくも、ANAグループであるエアーセントラル所有のフォッカー50がこの1月末をもって日本の空から引退するという"イベント"があり、2日間で両方を追っかけようと飛び回った人も少なからずいたはずだ。(後日談:F50の方は最初から諦めていましたが、最後の最後に仙台=セントレア便が荒天のため欠航となってしまったようですね。それでも執念(?)というか、翌日にはさよならフライトを実施したとか。ところが、2/1は両方かぶってしまったため、究極の選択を迫られた人もいるんじゃないでしょうか。)ということで、土曜の朝、今回は新横浜からひかりに乗り込む。そんなに混んでないだろうふんでいたところ、その読みどおり大して混雑はしていなかった。ことしの冬は暖冬傾向あったが、ここ2、3日は全国的に冷え込みが強くなるという。明日には回復するという予報が出ていたが、天気はあまりよくなかった。
彦根駅
そのひかり号は新横浜を出るとしばらく停車駅はなく、豊橋に停車、名古屋から先は各駅に停まっていくパターンだった。米原新幹線を降りたあと、ひと駅となりの彦根へと向かう。まず最初に行こうと考えてたのが彦根城で、姫路城松本城と並ぶ日本でも数少ない国宝指定されたお城である。そういえば、出掛けた先にお城があると、ついつい登りたくなるなぁ~という気もする。
彦根城
彦根城までは彦根駅から歩いても15分ほどで特に迷うこともなかった。通りを進んで、お堀と白い外壁の建物が見えると入口はすぐ近くである。早速天守閣の中に入って行こう。隣接する博物館とのセット券も売られていたが、今回はお城の見学だけにすることにした。最近、彦根城というと、ゆるキャラで人気の『ひこにゃん』が有名になったが、出番がある時間が決まっているらしい。まぁ、どうしても見てみたいという程でもないので、お城の見物だけにしていた。敷地に入り中を進むと時代劇の撮影などでもよく使われる天秤櫓があり、続いて天守閣へ向かう。
彦根城
井伊直弼ゆかりの地として有名な彦根城お城としてはそれほど大きなものではないが、歴史的な役割・意義は非常に大きい。早速中に入り、狭い階段をいくつか上がり、天守閣の一番高いところへとやって来た。城の北側には波立つ琵琶湖が広がり、多景島がすぐ目の前に見える。の東側の遠くには、鳥人間コンテストが行われる場所もみることができる。小雨混じりで風も強く、あまりいい天気ではないが、これもわびさびの世界かな?などと勝手な解釈をする。東の方角には伊吹山が見え、狭い土地に立ってるお城だということが何となく分かった。
彦根城・玄宮園
適当な時間で彦根城を引き上げて、玄宮園へ行ってみることにする。玄宮園はいわゆる大名庭園で、なかなか立派な日本庭園だった。特に下から見上げるお城の姿は非常に美しく、しばらく見とれてしまった。玄宮園を見学したあと、城の西側の方へと向かうことにした。10分、15分ほど歩いていくと、昔の町並み風の建物が並んでいるところがある。ちょうどお昼をまわったところだったので、ここでお昼にしておこうと思う。近江といえば、、、近江商人?いえいえ近江牛かな?などとひとりわけの分からないことを考えながら少しウロウロしてみた。地元でも有名なお店があったので、メニューをのぞいてみるとランチで2~3千円、、、ちょっとお高いな…と思って、通りの向かいをもう少し探してみると手軽で小洒落たお店があったのでそこでお昼にすることにした。
彦根・古い町並み
幸いにも外を歩くとき雨に見舞われることはなかった。彦根駅へ戻り、今日はもう少し西へ移動することにする。この先新幹線を使うつもりはなく、タラタラと行くことにしよう。のホームへ出て、列車を待っていると突然トワイライトエクスプレスが通過していった。強風のため湖西線が抑止を受けてるようで長距離列車のダイヤに乱れが生じているらしい。そのための迂回処置のようだったが、北陸路と東海道が交わる点という意味では、近江地方は昔も今も重要な場所にあることが分かる。幸いにも東海道線には遅れはなく、とりあえずダイヤ通りやってきた新快速に乗って先へ進むことにした。
東海道線・普通列車
相変わらずどんよりとした空のもと、そのまま琵琶湖沿いに進み、京都、大阪と過ぎていった。芦屋で新快速から普通列車に乗り換え、住吉で列車を降りて、駅近くで少し食料を買い込むことにした。ところで、今夜は長距離フェリーに乗って一泊するつもりでいる。九州夜行の廃止が進む昨今、列車での夜間移動の機会がどんどん減ってしまい、寂しさ半分、効率よくまわることができなくなってるのを残念に思っていた。そんな折、長距離フェリーの存在は前々から気になっており、ひとつの手段として大いに使えそうだったので、一度試してみようと考えていたところだった。ということで、今回は神戸から門司へ向かう阪九フェリーを予約していた。
六甲ライナー
フェリーというと、大部屋で雑魚寝というイメージが強かったが、どうもそれは違うようだった。もちろん大部屋の"エコノミークラス"はあるのだが、サイトを見るといろいろなタイプの部屋があるのが分かった。今回は比較的安価な二等個室というタイプを予約している。住吉から六甲ライナーに乗り、アイランド北口駅で降りる。六甲アイランドでは様々な施設と高層マンションが林立し、人工島だというのが信じられないくらいだ。近くのバス停からは、車を利用しないいわゆる徒歩客のためのためのバスに乗り継ぐことができるので、そいつを待つことにした。しばらくしてやってきたバスには既に何人か乗っていたが、数分でフェリーターミナルに到着、それぞれのフェリー会社の乗り場へ向かって降りていった。最後に阪九フェリーの乗り場へ到着、早速手続きを済ませることにした。
阪九フェリー・神戸港(六甲フェリーターミナル)
少し早いくらいかな?と思っていたが、あたりは徐々に暗くなってきており、待合室は団体客などで既に多くの人がいた。意外と利用者っているんだ…。そんなことを考えながらしばらくぼんやりとしているうちに船内への案内が始まり早速乗り込むことにする。フェリーはちょっとした建物のように大きく、吹き抜け状になったエントランスは広々としていい。ホテルのフロントのようなところで個室のカギを受け取り、指定された部屋へ向かうことにした。室内は思ったより全然広く、洗面台が一体となった机があり、広めのベッドとTV備え付けられたちょっとした棚が設置されていた。列車でいうB寝台個室どころかA寝台個室(シングルDX)よりも面積は広いようである。敢えていうなら、窓がない分、人によっては圧迫感を感じるかもしれなが、船自体、パブリックスペースは充実しているので、部屋にこもるのは必要最低限で済むはずである。船の設備を見ると、大浴場とシャワールームが完備されており、利用者は無料で利用できる。また、売店はもちろん、食堂も充実しており、それなりにメニューもあって価格もそこそこ抑えてあった。朝も焼きたてのパンを売ってたりと、結構本格的である。長距離トラックの運転手も利用するので、あまり変なものを出すわけにもいかないのだと思う。これなら快適に晩過ごせそうである。
明石海峡大橋
 2日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
門司、太宰府天満宮、福岡空港、E170、名古屋小牧空港
外のデッキにも出ることができるのだが、風も強くとても寒かったので明石海峡大橋の下をくぐったの見ただけで外に出るのはやめておいた。何となくぼんやりTVを見ている時間が長かったが、地上波ではなくBSデジタルが視聴できるようになっていたので画面の乱れなどはほとんどなかった。(余談:BSデジタルは普段観る機会がないのですが、地上波とはちょっと違った趣の番組が多く、偶然にも小笠原特集でおがさわら丸を紹介しており、何だかけしかけられてるように思えてなりませんでした。)関西-九州間だと、夕方発って朝到着というパターンになるので、時間的にもちょうどいい。また、経由する航路が瀬戸内海なので、よほどのことでもない限り海が荒れるということもないらしい。これが関東-九州間だと、時間的にも半日では済まなく、また外洋を行くので乗り心地も違ってくる。さらには、関西-九州間は複数の会社が運行をしているので、価格面でもサービス面でもいい意味で競争がはたらいてるという事情もある。利用者にとっては大いに歓迎すべきどころだが、それだけに、なぜ列車があんなにも衰退してしまったのか、もっと他に手はなかったのか、いまさらながら残念に思えてならない。
阪九フェリー・新門司港
翌朝はおはようございます放送で目を覚ますことになった。5時半か、、、う~んまだ早いな。(苦笑)朝食は昨日のうちに準備してあったのだが、焼きたてのパンという触れ込みについつい反応してしまい、お昼にと…ついつい買い込んでしまった。船内ではいまどこを航行しているのか地図上でリアルタイムに分かるようになっていたが、前半早めに進んでおいて、後半でタイミング見計らって到着港へ入港するような感じだった。というわけで新門司港には定刻で到着となった。快適な船旅はこれでおしまい、今回は阪九フェリーを利用したが、比較の意味も含めてこれはぜひ違う会社も試しておかないといけないかもしれない。門司のフェリーターミナルにも送迎のバスが来ているのでまずはそいつを利用する。JR門司駅を経由して小倉まで行ってくれるらしい。とりあえず今日は門司で乗り継ぐことにしている。(後日談:その後、名門大洋フェリーを利用する機会がありました。そのときの旅日誌はこちらをご覧ください。)
宇美駅
こうして門司駅を外から眺めるのは何十年ぶりのことだろうか。この駅は、通り過ぎることはあっても改札の外へ出たという記憶がない。確か高校生のとき友人と旅したときに乗り継ぎで降りたかな?ってことは相当昔だぞ。(笑)手持ちのオレンジカード2枚分をちょうどぴったり使い切り、これからしばらく移動する。鹿児島本線の快速電車でそのまま香椎へ向かい、その後香椎線で終点の宇美駅へと抜ける。日曜の朝ののんびりとした中、しばらくまったり時間を過ごす。ここまで来ると博多までの通勤圏なのだろうか、沿線には新しい住宅地も少なくなかった。終点の宇美駅に到着、一旦ここで列車での移動は終わりにする。
太宰府天満宮
時折日が差し込むようになり、昨日よりも天気はいいようだった。宇美駅を後にして、駅前から通りに入って役場を目標に少し移動する。比較的交通量の多い交差点でバス停を探し、大宰府方面に向かうバスを捕まえることにしている。バスは1時間に1本だったが、しばらくしたらやって来るとは思うのでまぁ気長に待つことにする。そのバスは時刻通り来たので、すぐさま乗り込んで先へ進むことにした。20分ほどで大宰府に到着、乗りつぶしにはいい"つなぎ"のようである。ということで、今日は太宰府天満宮にお参りに寄ることにした。参道は人通りも多く、沿道のお店はどこも賑やかである。そのまましばらく進んで、左に曲がり橋を渡った先に本殿が見えてきた。
太宰府天満宮
太宰府天満宮は菅原道真公を祀った神社で学問の神様として全国的にも有名なところである。先日、福岡へ寄ったときは雪が舞う様子をTVで見たが、今日は比較的穏やかである。とはいうものの、まだ肌寒く梅の季節というには未だちょっと早過ぎるようだった。受験シーズンということもあってか、参拝に訪れる人の数は多かったように思う。先週見てきた台湾の神様に比べると地味にも感じるが、やはり見慣れた日本の神社の方が落ち着くように思えた。お参りをしたあと、絵馬を見たりしてしばらく時間を過ごし、適当なところで今日は戻ることにした。先程通ってきた参道まで戻り、名物の梅ヶ枝餅をあつあつの焼き立てでいただく。冷めた状態でお土産にもらったものしか食べたことがなかったが、一度は熱いのを食べてみるのもいいかもしれない。だんだん時間がなくなってきたので、ここからは西鉄電車を乗り継いで、天神からいつものように地下鉄で空港まで向かうことにした。(後日談:その後、太宰府天満宮を再訪する機会がありました。そのときの旅日誌はこちらをご覧ください。)
福岡空港・E170
最近、福岡空港には頻繁に来てしまっているが、第二ターミナルで工事中だったところが今日からリニューアルオープンしたようで何やらイベントが行われた。今朝フェリーで買ってきたパンで軽く昼食を済ませ、いつものようにラウンジでメールのチェックだけしておく。これからが本番だったりするのだが、随分とえらく遠回りしたような気もする。何の気なしに展望デッキへ出てみると、ちょうどE170が到着したところだった。新しい機体はまだピカピカしているが、なかなか均整の取れたスタイルをしている。駐機スポットまで誘導され、ボーディングブリッジが付けられる。隣の777に比べるととても小さいことが分かるが、このクラスにしてはボーディングブリッジが使えるのも特徴のひとつだという。おっと、こんなところでのんびりしてると乗り遅れちゃうぞ…。
JL4408便の機内の様子
確かに今日は初日ではあったが、デビューフライトではないので特にセレモニーなどはなかった。来たままトンボ返りすると思われる趣味的な方も少なくなく、顔見知りなのだろうか乗り合わせたJ-AIRのお偉いさん(多分)と談笑している人もいた。今日乗ることにしているのは名古屋小牧行きで、レジ番号はJA211J、日本に来た初号機だった。時間になり機内に乗り込むとわずかばかりだが空席は残っているようだった。中の様子はというと、このサイズにしては天井は意外と高く、革張りの座席は横幅、シートピッチともに狭苦しさは感じない。ただ強いて言うなら背もたれの高さがもう少しあってもいいように思えたが、個人的にはCRJに比べると乗り心地はこちらの方が上のように感じた。定刻より少し遅れてドアクローズ、その後も特に問題なく出発することになった。ベルト着用サインが消えると飲み物サービスも行われ、折角なので記念に写真をとっておく。当たり前だが、安全のしおりもE170用に新調されていた。ところどころ雲は出ていたものの、天気はまぁいい方だったように思う。室戸岬が見えたあとは紀伊半島上空を通って三河湾に差し掛かると徐々に高度が下げられる。新幹線も東名高速もはっきりと分かった。ここらあたりから風の影響を受けるようになり、小型機独特の木の葉が舞うような揺れを感じる。飛行機が苦手なひとにとってはちょっと辛いかったかもしれないが、左手にセントレアを見送ったあと、名古屋小牧空港へ到着となった。
JL4408便の機内の様子
小牧に来たのも久しぶりのことだが、主役をセントレアへ譲ったあと、こちらの空港の設備は随分と簡素化されたという。折角ボーディングブリッジが使える機種を導入したというのに、そのボーディングブリッジを取っ払ってしまったのは皮肉な話かもしれない。タラップを降りて最後にE170の姿を見ておく。長い通路を歩いて抜けて建物に入ると、そこも何となく簡素化されてしまったような気がした。今日はもう特に用事はないので、帰ることにする。高速道を経由するリムジンバスで名古屋駅へ向かい、あとは新幹線で帰るだけとなった。(後日談:先日、台湾で700T型に乗りましたが、こちらは元祖700系ですね!)ところで、E170はこの夏開港予定の富士山静岡空港をベースとしたフジドリームエアラインズでも導入が決まっている。富士山静岡空港については賛否の議論があったものの、開港も決まったので、ぜひそちらも乗ってみようと考えている。乗りつぶし同様、全国空港訪問のタイトル防衛線もあることだし…。(後日談:そのFDAに乗ったときの旅日誌はこちらをご覧ください。)
JAL・JL4408便・名古屋小牧行き