■旅日誌
[2007/8] 盛夏、夢の休日~隠岐
(記:2007/8/26 改:2012/7/24)
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夏休みが取れるかどうか微妙だったのですが、隠岐の島へ行ってきました。少し窮屈なスケジュールでしたが、天気にも恵まれ久しぶりに開放感を味わうことができました。全国的な猛暑の中、隠岐に渡った日は一日中雲ひとつない晴天、ローソク島遊覧も堪能することができました。その素晴らしさと言ったら、今まで見た景色でも、一、二を争うほどの絶景でした。
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 0日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
サンライズ出雲
当初1週間ぶっ通しで夏休みをとるつもりでいたのだが、見込みと少し違ってしまいお陰で少々慌しいスケジュールになってしまった。どこか寄ってから夜行で旅立つのもありかな?などと考えてみたものの、結局昼間もみっちりお仕事、どうにか夜の出発にこぎつけたといった感じだ。まぁ、それでも運よく取れたサンライズ出雲の切符をムダにすることにはならなかったので、ここはよしとしよう。サンライズ出雲に乗るのは2度目で、前回と同様、米子まで乗り通す。休みのピーク期だけあって、ほぼ満席の様子だった。今回利用したのは普通のシングル、過去2回はソロ、シングル・デラックスと両極端だったが、快適な時間を過ごす。都会を抜け湘南地方へ出ると、暗いながらもそこに海があるのが分かる。ぼんやりとしながら頭の中を空っぽにしていると、何もしないというのが、こんなに贅沢なものかとつくづく思う。(後日談:さらにサンライズ出雲に乗ったときの旅日誌はこちらをご覧ください。)
ローソク島
 1日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
米子、境線、隠岐汽船/レインボー2、隠岐島
岡山に到着し、ここでサンライズ出雲とサンライズ瀬戸の分割が行われる。今日のサンライズ瀬戸は松山まで延長運転される。そうか、先月通った瀬戸大橋を渡っていくんだな…。倉敷から伯備線に入り、高梁川に沿って峠越えを目指す。短い区間ではあるが車内販売があるので、折角なので利用する。ここ2週間ほど、全国的な猛暑に見舞われ今日も暑くなりそうである。伯耆大山の案内があると間もなく列車は米子へ到着することになる。
サンライズ出雲
サンライズ出雲を見送って一旦駅の外へ出てみることにした。すぐに連絡する境線もあるのだが、今夕の遊覧船の申し込みをしておく。出航するかどうかは、夕方に連絡がもらえるらしい。それにしてもまだ朝の9時だというのに、このクソ暑さといったらたまらない。たまらず日陰を求めてみるものの、駅舎もホームもムッとする暑さに包まれ、ただ直射日光が当たらないというだけでどこにいても同じようだった。米子駅のホームにやってくるのも何度目か分からないが、鬼太郎人気は衰えを見せないようで、境線のペイントも四種類に改められたという。しばらくしてやってきた鬼太郎列車で終点境港へ向かう。
境線・鬼太郎列車
ちょうど帰省時期にもあたり、わずか1両なので鬼太郎列車は既に満員、ほとんどの人が境港に向かっているようだった。終点境港駅に降りると、鬼太郎一座(?)のお出迎えなどもあって、とにかく多くの人で賑わっていた。隠岐へ向かうジェットフォイルはここ数日の予約は既に一杯、一年の中で本当に一番混雑する時期のようだ。前もって予約を入れておいたのでよかったが、知らずに来てしまったのか、あてのないキャンセル待ちに面食らう人も少なくないようだった。乗船券を引き換えて少し水木ロードの方へと行ってみたが、日差しも強くこれは暑くてたまらない。一度来たことがあるのでわざわざ炎天下をほっつき歩くことはやめておく。お昼は船内でとることを考え、ターミナル内にあるお店で鯖寿司をお弁当に包んでもらう。少し出遅れたか、既に乗船する人が長蛇の列を作っていた。
境港
ジェットフォイルの料金はフェリーのおよそ2倍、ちなみに飛行機を利用すると更にその2倍くらいするのだが、時間と快適性のバランスを考えるとコスト的にもちょうどいいように思う。西郷までの所要時間はおよそ2時間、空席はまったくなく超満員のまま西郷港へ入港となった。ひとことに隠岐の島というのは少々乱暴で、一番大きな島を島後(とうご)ここから西南にある4つの島を中心にした群島を島前(とうぜん)という。今回は島後に一泊するだけなのだが、時間をみながらいくつかまわってみようと思う。いつものように予約しておいたレンタカー屋さんのお出迎えを探し、早速手続きを済ませる。やはりこの時期は帰省のピークで、普段にはないくらいの人でごった返しているとのことである。いま時計は13時をまわったところ、遊覧船の集合時間は5時40分なので、まぁ島をぐるっとひと回りすることはできそうだ。
隠岐汽船・レインボー2
まずは島唯一の国道485号で北上する。道幅のある走りやすい道が途切れると、あとは狭い山道が数キロ続く。どうやらバイパス工事を行っているようだが、見通しの効かない狭い山道を行くことになる。しばらくすると、島の北側へ到着し、脇に入り展望台のある方へと向かう。駐車場に車を止め、とても静かなところをしばらく歩いていくとやがて展望が開け絶景が目の前に広がる。毎度ながら、大きな景色を目の前にするととても晴れ晴れとして気分になる。この風景を眺めてるだけで本当にやってきてよかったなと思う。思わず時間を忘れそうになってしまうが、そんな気持ちも断ち切って先へ向かうことにした。その後、海沿いに右回りに行けるだけ行ってみることにしよう。
白島崎展望台
次に浄土ヶ浦へ向かう。海沿いまで山が迫っているところが多く、大きなトンネルが通っているところは走りやすいが、そうでないとすれ違いも困難な狭いくねくね道が続く。浄土ヶ浦も景勝地のひとつとなっていて、静かな入り江がひっそりとあるような場所である。ただを見てるだけでとても落ち着いた気分になれる。このペースなら…と思って西郷に向かって先へ車を走らせたが、道は狭くなるばかり、くねくねとした山道を行くのは意外と時間がかかりそうだ。急に目の前に「通行止め」の看板が立ちはだかり、少し焦ったが回り道はあるようだった。ちょうどそちらへと向かう車が通ったのでその後を追いかけることにする。景色が開けて西郷港が見えてきて少しホッとする。
浄土ヶ浦
意外と時間がかかってしまったのであまり寄り道することはヤメにして、県道316を中村方面へ往復するだけにした。中村の海水浴場へ出てみたあと同じ道を戻り、途中かぶら杉銚子のダム湖を横に見ながら、再び国道を目指す。この後ローソク島遊覧に向かってしまうと更に遅くなりそうだったので、先にチェックインだけ済ませておこうと思う。ちょうどこのタイミングで携帯に連絡が入り、今日は予定通り出航するとのこと。福浦湾近くに予約した宿に寄って、再び車で西郷方面へ戻る。当初は無理だと諦めていたが、先程車で走ってみて十分に間に合いそうだったので、遊覧船が出る前に牛突き見物をすることにした。土曜の夕方に、国分寺近くのモーモードームというところで、牛突きのデモンストレーションが行われる。曜日的にもちょうどいいタイミングだったので時間が許す限り見ておきたい。お隣にある国分寺は火災に見舞われ建物が焼失してしまい痛たましい姿をしていた。隠岐の牛突きを語るにはその歴史まで言及しないとならないが、そこはいつものように識者に譲るとして、開始時間の17時を待つ。受付でローソク島の遊覧船に間に合うか?と聞いてる人がいたが、みな同じことを考えるようだ。その人は諦めて帰ってしまったようだったが…。
牛突き
牛突きの本場所ともなれば一大行事として盛大にとり行われるらしい。今日はちびっ子クラス(?)の練習のようなもので、横綱クラスとは迫力が違うらしいが、まぁ折角の機会なので見ておきたい。手綱を持った人に導かれ、二頭の若い雄牛が相手に向かって角を突き合わす。大きく掛け声を掛けながら数分くらい行われるのだが、別に勝負を着けるのが目的ではない。何組かそんな様子を見物したが、実際このようなものを今まで見たことはなかったので、貴重な機会になったと思う。結局、最後までは居られなかったが、再び車を走らせ福浦湾へと向かうことにした。
福浦湾
ちょうど5時40分に福浦湾に到着した。何艘か停泊してる漁船のうち、指定を受けていた船のリストでチェックを受けて、ライフジャケットを着込んで出発を待つ。漁船の船長さんがそのまま案内役となるようである。ローソク島とは、高さ20~30mはあるかと思われる文字通りローソクの形をした奇岩である。展望台からもその姿を目にすることができるのだが、海上からタイミングを合わせるとそのローソクの先端に沈みゆく夕日が重なり、まるでローソクに火が灯ったように見え、その見事な様子は隠岐を代表する景色としてもあちこちで紹介されている。なので、日が陰ってしまえばその景色に合うことができないし、海が時化ても船が出せないので運まかせということも言えなくもない。
ローソク島
今日一日、本当に雲のかけらひとつない見事な好天に恵まれ、海も鏡のように穏やかだった。まだまだ強い日差しが照りつける中、船は福浦湾を出港した。船長さんの解説付きで景色を眺めながらゆっくりと船は進んでいく。そんな説明にキョロキョロしながらも時間は過ぎていき、徐々に日が西に傾きかけてくる。少し日差しは強いが、今日は絶好のコンディションである。やがてその観賞ポイントに到着すると、本当にローソクの先に火が点いたように見える。みな思い思いに写真を撮りながら、しばらくその光景に見入る。なんと素晴らしい景色だろう。船長さんもが船を巧みに操作しながら合わせてくれているようで、同時に出航してきた数艇と順番を譲り合いながら、このわずかな瞬間を楽しむことになった。順番を待つ間も、岩の間からみるローソク島など、違った楽しみ方も紹介してもらい、再度あのローソクの姿が見えるポイントへ移動し、その様子を目に焼き付けることになった。
ローソク島
秋になるともっと赤みを増して見えるということらしいが、その頃になると海が荒れることも多く、今日は最高のコンディションだったようだ。ここ2、3日雲に陰ってしまう日が多く、こんなにも見事な景色に出会えたことを考えると、あらためて自分の晴れ男振りに感謝したい気分にもなった。沈みゆく夕日を眺めながら晴れ晴れとした気分で戻ってきた。港に戻り船長さんにお礼を言ってその場をあとにする。今回、何気なく見つけたお宿はすぐこの近くにあり、早速夕食をいただくことにする。食事の評判は悪くなかったが、どうして、どうして、地の魚中心のメニューはさりげなく工夫されていてとても美味しくいただくことができた。ローソク島の余韻に浸りながら、至高のときを過ごすことになった。
沈みゆく夕日
 2日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
隠岐空港、JAC、出雲空港、鳥取砂丘、鳥取空港
相変わらずの来てすぐのトンボ返りだが、帰りは空路出雲へと向かう。島に渡るきっかけといえば、ずっとやってきた全国空港めぐりなわけなので、ここ隠岐の島にもある隠岐空港を利用しなければ意味がない。(余談:空港めぐりに意味があるかどうかは別にして…。)隠岐空港は、去年新しい空港へ生まれ変わったが、滑走路もジェット化され夏季限定で大阪からの直行便が就航している。当初から、出雲空港もあわせてやっつける予定だったので、午前の出雲便を予約していた。朝食を済ませ、それなりの時間に出発すれば遠回りしても十分時間はありそうだったので、島の西側を経由していくことにした。今日も厳しい暑さになりそうだ。
隠岐・島前
西側を通る県道も道幅のある2車線はすぐに終わってしまい、昨日と同様すれ違いも困難な狭い山道になってしまう。だからと言って、すごく運転が大変かというとそうでもなく、それはそれで楽しいものである。たまに忘れた頃に来る対向車に注意しながら、先へ進むことにしよう。少し見晴らしのきく場所にでると、海の向こうに島前を眺め見ることができる。時折、車を止めてそんな景色を眺めておくことにした。屋那の松原と船小屋を通り、都万の集落を抜けると隠岐空港はもう間近である。最後にひと回りして西郷大橋を渡っておく。
隠岐空港
空港についてからレンタカー屋に乗り捨てのTELを入れると既に人がこちらに向かっているとのことだった。ガソリンは満タンにしてあることを告げ、これで車の返却手続きはおしまいである。建物の外に出てみて高台へと上がると、向こうに島前の島影が見えた。南の方は大山も見える。じりじりとする日差しがたまらないので、すぐに建物の中に入り、搭乗手続きを済ませる。出雲からの到着便からは今日も帰省と思われる人が大勢降りてきたが、これから出雲に渡る方は全然余裕があるようだった。いつだったか、出雲からの帰りに遠回りをして萩・石見空港へ行ったことがあったが、頭の中に、今回の隠岐=出雲のことがあったからのことかもしれない。結局、出雲便=JACのSAAB機の利用者は10人くらいだった。
JAC・SAAB
出雲便からは宍道湖や中海、遠くは大山も見ることができる。出雲空港には20分近い早着、今回はもうひとつ空港訪問を予定しているのですぐに移動することを考える。後を追うようにして大阪からのSAAB機が到着し、それにあわせるように連絡バスが出るので思ったより早く移動ができそうだ。バスは松江行きと出雲行きが同時に発車するのだが、乗り込んだ松江行きは高速を経由して松江駅まで直行してくれる。わずかばかりの人しか乗せてないバスは快調に高速を走り、あっという間に松江駅へ到着した。見込みより随分と早すぎたが、すぐに出る米子行きの普通列車に間に合いそうなのでそいつに乗ってしまうことにした。今日も容赦なく気温は上がり、外にいるだけでそれこそ倒れそうである。
山陰本線
再び米子に戻ってきた。いつも同じことを言ってしまうが、色々ありすぎてここへやって来たのは昨日のこととは思えない。目的地の鳥取までは次の快速を利用すれば十分なので、すぐに出る特急は見送る。そういえば、快速とっとりライナーに乗るのも二度目になるか…。空調の効いた室内にいるだけで思わずホッとする。単調な走りに疲れも手伝って途中記憶が途絶えながらもあっという間に鳥取到着となった。今日はこれから鳥取空港へ向かうだけなのだが、帰りの便までまだ時間があるのでとりあえず鳥取砂丘へ寄ってみることにした。観光地を巡るバス砂丘方面へ向かう。スケジュールを考えてるときはただの思いつきでかなかったのだが、いざ来てみると灼熱地獄である。まぁ、話のネタくらいにはなるだろうか。
山陰本線・とっとりライナー
勢いで人々が目指す方向へ歩き出してはみたものの、太陽は真上から容赦なく照りつける。まるでオーブンレンジで焼かれてるような気分だ。実は鳥取砂丘に来たのは初めてではないのだが、大昔に来たときは体調がいまいちであまりいい思い出がない。なので、今回はあらためて気持ちよく帰りたい。とりあえずはあの砂山は制覇しておこう。遠くの海の青さがまた何ともまた美しい。砂に足を取られながら、砂山を登りきると目の前に日本海が広がり、日本ではないような不思議な風景がその先までずーっと続いていた。久しぶりにシャッターお願いします攻撃を受けたが、さすがにこのままじっとしてると大変なことになりそうだったので、すぐに引き返すことにした。駐車場まで戻り、靴の中の砂を払ってどこでもいいから建物の中に"避難"することにした。まずは水分補給しないと…。
鳥取砂丘
夏のこの時期、ボンネットバスが運行されており、もう少しするとそれがやってくるようだったが、この暑さで待ち切れないのと、鳥取市内の渋滞でダイヤが遅れるかもしれなかったのですぐにやって来た路線バスに乗り込んでしまうことにした。あとは鳥取空港へ出られればいいのだが、砂丘から空港近くまでダイレクトに行ける路線バスはなく、メボシをつけておいたバス停で途中下車する。するとボンネットバスが目の前を通っていった。これなら十分間に合ったかもしれないが、このバス停には停車しないので、手前のバス停で降りてから炎天下を歩いてこなければならないことを考えると、乗らないでおいて正解だったと思う。空港連絡バスが来るまでの間、日陰を探してしばし待つことにした。それにしても、こんな乗り継ぎをするやつもいないだろうな、、、車しか通らない通りで少し冷静になってみる。
鳥取砂丘
鳥取空港に到着し、搭乗手続きをとる。今回はどこを取っても(?)まったく割引料金が効かない路線&タイミングだったので初めて株主優待券というのを使ってみることにした。株主優待券は金券屋などで入手することができ、普通運賃が半額に割り引かれるので、路線によっては千円札何枚分かはお得になる。早速購入手続きをして東京行きの出発を待つ。これで数多くあった中国地方の空港もすべて制覇したことになる。北海道や九州と違って、やはり手強い相手だったかもしれない。東京行きの機材はA320、うまく説明はできないが、ボーイング機よりもヨーロピアンスタイルのこの型の方が実は気に入ってる。ところで、何だかんだで全国空港めぐりも残り2つまで漕ぎ着け、いつカウントダウンを実行するのか練りたいと思う。ところが、残った2つというのが山形県の2空港なので、意外とあっけなく日帰りか何かでやっつけてしうような気がしてならない。いずれにせよ、こうなったらぜひ"完成"させたいものだ。
ANA・NH298便・羽田行き