■旅日誌
[2005/4] 春、疾走つばめ
(記:2005/4/9 改:2015/11/1)
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"完乗"に手が届くようになって本気で頑張れば達成できそうな気もしてましたが、何となく先送りのような感じになっていました。もちろん、遊びまわる予定が立たない苦労は今に始まったことではないのですが、今回は思い切って普通の週末に九州新幹線をやっつけることにしました。ただ、鹿児島となるとやはり距離がありますので、踏ん切りは必要でした。ところで、ここのところ新線ラッシュの名古屋ですが、最近お気に入りの名古屋+1箇所のパターンでセントレア&リニモを計画したものの、万博で人が集まるのを恐れて今回は外しました。
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 1日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
郡山、福島空港、大阪空港、京都、男山ケーブル、六地蔵
名古屋に寄ってから夜行で九州に渡り、豊肥線で横断したあと新幹線へ抜けるルートは、かなり前から企んでいた。名古屋近辺で五月雨的に開通する新線の開業時期にタイミング合わせることを思案していたが、四国からあおなみ線へ抜けたときに事前に迷っていたルートが実はこいつである。ところが、リニモの混雑ぶりをニュースで聞かされたときにちょっと躊躇してしまい、毎度のタイトなスケジュールを考えリニモは見送ることにした。ところが、混雑もそれ程ではない、というのが後になって伝わってきてちょっと惜しかったような気分になっていた。名古屋はまたあらためて計画することにしよう。
東北新幹線
その代わりに出てきたのが京都への立ち寄りである。以前、無理して乗りつぶしをしたはずの地下鉄が伸長されてしまったのであらためて足を運ばなければならない。まぁ、ただなぞるだけでは芸がないので、最近妙に凝ってきたケーブルカーめぐりを絡めることにする。ということで、今回は京都へ向かうことになった。ところが、これまた妙な話しでまずは東北新幹線で北上することにする。わずか一泊で関西と九州をまわろうとしているのに北へ向かうのはまったくもって見当違いのようだが、朝適当な時間で郡山を目指す。
福島空港
東京から1時間半弱で郡山へ到着となる。やはり新幹線は速い。天気予報によると生憎この週末は全国的に雨模様だという。確かに晴れてはいないが、不思議と雨が降ってくるような気はしなかった。郡山駅からバスで福島空港へ移動する。東京から大阪へ行くのにこんなルートをたどる人間は絶対にいないだろう。バスは水郡線沿いの国道をしばらく行ったあと、山間の狭い道路へと進んでいく。よくもまぁこんな寂しいところに空港をつくったものだと関心してしまう。それも滑走路を伸長したというから土建国家を地で行くような、たいした根性だと思う。そんな立派な福島空港だったから、ヨン様もお忍びで立ち寄ったのかもしれないが、地方空港の必要性といった議論のヤリ玉に上げられなければいいけど…。
京阪
お昼過ぎの便で大阪へ向かう。軽くお昼を済ませてから小型のジェット機に乗り込む。新幹線のようなコンパクトな機体へは地べたからの搭乗であり、階段を数段登った先の機内は圧迫感を感じる。どことなく徳島から乗ったプロペラ機のことを思い出すが、こちらはジェット機なので巡航速度はまったく違う。雲の中時折下の様子が見える程度で天気はあまりよくなかった。(後日談:その後、IBEXを利用する機会がありました。そのときの旅日誌はこちらをご覧ください。)大阪空港へ降り立ち、今回はバスで京都へ向かう。たて続けの伊丹も去年から無意味の連続ばかりで、今日もあまり深く考えないことにする。京都へは高速道路を経由して1時間ほどでたどりつくことができる。4月になったので多少春めいてきてはいるが、今年は桜の開花もやや遅れ気味である。だからといって寒くてたまらないというほどでもなく、なんとなく中途半端なときにあたってしまったらしい。万博公園の桜も3分咲きといった程度だろうか。
男山ケーブル・八幡市駅
京都からは、まず奈良線桃山駅へ移動する。残金100円を切ったオレンジカードを持っていたことを思い出し、手元のSUICAを足して切符を買ってみる。こんな不思議な組み合わせでも販売機は認識してくれるんだ…などと感心する。ここで一旦下りて、街中をとぼとぼと歩いていく。近鉄の桃山御陵駅と京阪の伏見桃山駅はすぐ近くにあるが、その先はアーケード街が続いていた。次の電車のタイミングに合わせるために、しばらく歩いてみることにした。駅に戻りとりあえず1000円分のカードを購入しておく。京阪はきれいな筋が引かれていて、10分単位で特急と準急が交互にやってくる。特急を見送り、続いてやってきた淀屋橋行きの準急に乗り込む。そんなことは忘れていたが、ラッシュ時に座席があがってドアに早変わりする車両で数駅移動する。京都競馬場と淀川の大きな流れが車窓に見てとれる。ここら辺から京都でもない大阪でもないだだっ広い景色が広がる。徐々に目的の男山が見えてきた。
男山ケーブル
八幡市駅で降りてそのままケーブルの乗り場へと向かう。ちょうど発車のタイミングだったので先程買ったカードをそのまま自動改札に通して慌てて乗り込む。緩やかなカーブの先のトンネルを抜けてケーブルカーは静かな山間をゆっくりゆっくりと登っていく。3分ほどで山上駅へと到着した。このケーブルカーは、石清水八幡宮の参拝ルートになっており、折角なのでお参りしておくことにする。桜祭りと提灯がぶら下がっていたが、残念ながらここも桜の開花にはちょっと早いようだった。石清水八幡宮についてはここで敢えて説明することもないが、歴史がある場所でもあり、時間のせいかとてもひっそりとしていた。工事中の本殿を通って反対側の道をつたって戻ることにする。途中見晴らしのいい展望台があったので一休みする。淀川の流れと不釣合いの高速道路が眼下を走っていた。ケーブルの駅に戻る途中、道が分からない…とおばちゃんに声を掛けられる。地元民じゃないけど、何を迷っていたのかが逆にこっちが気を遣ってしまった。下りのケーブルカーの料金は下の駅の改札で払う仕組みになっており、そのまま乗り込む。先程と同じ自動改札にカードを通す。あらためてケーブルカーを眺めてから再び京阪で京都方面へと向かう。
石清水八幡宮
中書島で宇治線に乗り換え六地蔵駅で降りる。同じ駅名でもJR京阪地下鉄の3駅の位置は微妙に距離があり、京阪の駅が川を隔てて一番離れたところにあった。ちょこまか移動しているうちに1000円分のカードはほぼ消費していた。ここからわずかばかりではあるが、未乗だった地下鉄の伸長区間を乗り通しとりあえずの目的を果たす。山科駅で地下鉄をあとにして、とりあえず京都駅へ戻ることにしよう。
京阪宇治線
京都駅へ戻ったものの、あとは時間をつぶさなければならない。目の前の京都タワーに登ることも考えたが、あまり気がすすまなかったのでその先の方向へ歩いて行ってみることにした。するとすぐに東本願寺が視界に入ってきたのだが、京都の地理も分かっているようで分かっていない。分かってないついでに1周してどれほど広大なものなのか確かめたくなった。予想を上回る広さに途中でめげて、今度は西本願寺も見ておくことにする。見ておくといってももちろん外から眺めるだけだが、いやぁ、なんとも圧巻である。結局、ただ"大きい"ことだけしか分からなかったが、ちょうどうまい具合に中途半端な時間を過ごし、駅へ戻ってお土産屋なんかも見てまわった。そういえば駅ビルの一番上に行ったことがなかったので最後に上っておくことにしよう。屋根がないところまで出てくると、小雨がぱらついており濡れても気分が悪くなるだけなので、そのまま戻ることにした。そうそう、肝心な食料調達を忘れていたではないか、、、最近の夜行列車は寝台特急といえど食堂車も車内販売もいないことがほとんどだ。急いで買出しを済ませ、ホームへと向かうことにした。
六地蔵
まだ早い気もしたが、既に列車は入線していた。まずは先頭まで行って、機関車を眺める。続いてホームを反対側まで移動してみる。白抜きの黒い方向幕はJR西日本のものらしいが号車番号の数字がところどころ抜けている。それも長崎行きと宮崎行きの2列車が併結されているはずなのだが、、、う~ん、利用率がとても気になる。最後尾に連結された妙なカラーリングのレガートシートをちょっと覗き込んでみても人の姿は見えない。さて、あまりうろうろしてても仕方ないので指定された寝台へと向かうことにしよう。
あかつき・彗星
今回は個室タイプのソロがとれたので、ゆっくりとくつろげるはずだ。発車前に検札を済ませ、外をボーっと眺めながら晩飯を食らうことにした。「いつしか、列車で夜を明かすということが贅沢な時代になってしまった」とどこかで読んだような気がするが、何ともこのまったり感がいい。スローライフという言葉がもてはやされるのも分からないでもない。ただ、何だか外で子供の声がうるさいのが気になる。怒鳴ってやろうかとも思ったが、こういうときは腹を立てるだけ損なので、じっと我慢することにした。最後に雨が見舞われたがどうにか天気はもったので、明日も天気予報が外れることを祈ろう。(後日談:この年の秋のダイヤ改正で彗星号は引退、結果的にこれがお別れ乗車になってしまいました。)
あかつき・レガートシート
 2日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
大分、豊肥本線/九州横断特急、熊本、新八代、九州新幹線、鹿児島中央、肥薩線/やはとの風・しんぺい、人吉、鹿児島空港
浅い眠りの中、ふと気になって外に目をやると薄明るくなった門司駅に停車していた。ここであかつき号と彗星号が分割される。まだまだ眠いので再び体を横たえ、次に意識がはっきりしたときには広大な畑の中を走っていた。カーブに沿って列車の向が変わると、昇ったばかりの太陽が真っ赤なお盆のように見てとれた。雨は降ってないし、これなら天気も期待できそうだ。宮崎まで行こうとするとまだ4、5時間はかかるが、今日は大分で降りることにしている。なのであまりのんびりとはしていられない。別府の手前で身支度を終え、朝の別府湾を眺めながら大分到着を待つことにした。(後日談:あかつき号に乗ったときの旅日誌はこちらをご覧ください。)
彗星
大分電気機関車付け替えが行われる。そのため彗星号は数分ほど停車することになる。しばらくしてヘッドマークをつけた機関車が近づいてきた。それにしても4両編成の寝台特急というのも寂しいものだ。走り去る青い車体をしばらく目で追っていた。ホームの向こう側に目を向けると、既に赤い気動車特急がスタンバっている。九州横断特急とロゴが入っているので、次にお世話になるのはこいつのはずだ。時間があるので、始発の別府駅まで日豊線の普通列車で一旦戻ることにする。特急ソニックを見送り、次の列車を待つ。最近九州各地で見られるようになったコミュータ便は足回りも機敏で快適ではあるが、贅沢を言えば旅の情緒のようなものは残念ながら感じられない。同じように新幹線が日本の隅々まで整備されて便利になるのもいいが、その代わりになくなっていくものも少なくない。もちろん世の中の体勢からしても答えはみえてるし、それが時代の流れというものだろう。
彗星
先回りする格好で先程の特急を別府駅で待つ。日曜の早朝なので人の姿はまばらだ。そのわりに外人さんの姿が目立つ。前回あその時代に乗ったときの記憶は曖昧だが、床や座席など内装もちょっと手が入っている様子だ。できるものは工夫して大切に使おうというJR九州の心意気が感じられる。この特急は豊肥線を経由して肥薩線の人吉まで乗り入れているのだが、ついに出たワンマン特急としても注目を浴びているという。たが、実際のところ車掌も乗り込んでおり、その他にもJR九州の制服を着た車内アテンダントが乗務していた。車内放送やワゴンサービスなどちょっと見ただけでもかなり忙しく動き回っていた。古いはずの車両もソフト・ハードの両面で工夫されており、どこぞの会社とはこうも違うものかと感心してしまう。さて能書きはいいとして、大分で適当に選んだ朝食を開ける。値段の割りに十分満足のいくお弁当だった。これなら倍の値がつけられても不思議ではないと思った。
九州横断特急
大分から内陸へと入っていく。今日も花曇といった感じだが、阿蘇の山々の雄姿は車窓から十分見てとることができた。前回は雨の中くすぶって何も見えなかったのでちょっと嬉しい。すれ違い様だったのでよく分からなかったが、DLに引かれた客車はもしかしたらSLに引かれるはずだったイベント列車だったのかもしれいない。この特急も純粋な観光列車ではないが、外輪山や立野のスイッチバックの案内など、飽きさせない工夫がされてる。3時間以上かけて熊本に到着したが、そんなに時間が経った気がしない。タイミングよくリレーつばめを待つことにする。あくまでも行き先は鹿児島中央で、新八代で乗換えが必要と案内されていた。見慣れたグレーの編成は後ろ数両が熊本で落とされ7両で新八代へ向かうことになる。ここへ来て空模様が急に怪しくなってきたが、先程までの気動車特急とは明らかにスピード感が違った。
九州新幹線/つばめ
本線を右に離れ左に大きくカーブしながら新幹線ホームへのアプローチとなる。すぐ真横には乗り継ぎ新幹線が待ち構えており、乗り換え時間はわずか3分だが割とスムーズに移動ができるようになっている。通しで指定をとれば、座席の番号や号車番号は在来線と新幹線とで同じにしてあるという。ベースは他の新幹線とあまり変わらないらしいが、白地に赤いアクセントの車体は新鮮に映る。中に入るとこれまたJR九州らしく斬新なデザインで、木目調の和風のアコモは強烈な印象を受ける。座席にいたっては板張りという徹底ぶりだ。乗り換えて席に着いたとたんに発車となり、当たり前だがぐんぐんと加速をしていくのはまさに新幹線そのものだった。部分開業ということで、時間にして40分ちょっとしかなくあまりにもあっけないが、トンネルばかりであまり外の景色を楽しむことはできない。いわゆる中央から路線を延ばしていくのではなく、端をつくってしまってから「ほら、早くつなげなきゃね!」というのは悪名高い高速道路建設のようであまりいい気分はしないが、まぁ深くは考えない。飛行機を意識しての演出だろうか、途中で運転手の肉声で車内放送が入った。速達タイプだったせいもあり、あっという間の鹿児島到着は残り区間である博多-八代間の早期開業のアピールには十分過ぎるようだった。おぉ、そうだ。思えばこれでJR完乗である。
鹿児島中央
鹿児島中央という響きもややしっくりこないが、駅前の大掛かりの工事はすっかり出来上がっており、とても垢抜けた感じがしていた。駅前広場では賑やかにイベントが行われていた。さて、これで今回の目的は果たしたことになるが、折角なので時間の許す限り足を延ばしてみよう。まずははやとの風を待つことにする。これも新幹線の開業にタイミングを合わせてデビューした観光列車である。今般のダイヤ改正でやや後ろに時間がずれたおかげで、もともと考えてた筋よりも余裕をもって乗換えができるようになった。2両の黒光りした車両はとても存在感がある。もちろんこれもリニューアル車両であり、座席の配置や車両中央部に大胆にレイアウトされた展望スペースなどが目を引く。熊本で降ってた雨もこちらには影響はないようで、ところどころ晴れ間も見える。はやとの風はゆっくりと鹿児島中央駅を出発した。
はやとの風
錦江湾の向こうの桜島は山頂付近が霞んでいた。海の色もどことなく冴えない感じがする。車内の座席はほぼ埋まり、結構な乗車率である。グッズや飲み物の販売カウンターも広くとられており、やっぱり車内アテンダントは忙しく動き回っていた。案内によると、たまに錦江湾でイルカを見えることができるそうだが、そんなことあるの?と思った瞬間、1、2頭ジャンプするのが見えた。一瞬のことだったので目を疑ったが、後ろの方でも歓声があがったので多分間違えない。イルカが見られるというのはラッキーなことらしく、そう言われれば悪い気はしない。隼人駅から肥薩線へと入っていく。途中の嘉例川駅で5分ほど停車時間があり、そこで待ち構えていた人も含め撮影会となった。山間のひっそりとした駅も一躍有名になってしまったが、歴史あるたたずまいが何とも言えない。出発の時間になると車内アテンダントは大きな声で乗車を促していた。はやとの風はエンジン音をうならせながらさらに高度を上げていく。霧島温泉、大隈横川と経由して吉松駅へと到着した。何となく、あっという間の80分だった。
しんぺい
鹿児島中央での乗換えが楽になったおかげで、次の吉松での乗換えが慌しくなっていた。ここからはしんぺい号で先へ進んでいく。いさぶろう・しんぺい号もまた新幹線の開業と同時に大々的にリニューアルされ、車両中央の広い展望スペースや運転席からの進行方向を映し出す車内モニターなど、なかなか凝ったつくりの車両に仕上げられている。先程のはやとの風の座席も新幹線を意識して木の材質が使われていたが、こちらはもっと自然に近い印象が強い。去年はデビューと同時にかなり人気があったというが、当時1両だった編成も2両・2往復に増やされ、客室乗務員も乗務するようになった。今日もすべてのボックスが埋まる程度といったところである。このいさぶろう・しんぺい号は説明するまでもなく九州の数多い観光列車でも"はしり"のようなもので、以前も一度だけ乗ったことがあった。停車も長く適度なスローペースがとてもいい。日本三大車窓真幸のスイッチバック、矢岳SL展示大畑のループ、と見所はあげたら切りがない。
真幸駅
真幸駅のホームでは、地元の人が特産品などを売っていた。幸福の鐘で記念撮影する人、駅舎をまじまじと見てる人、列車を外から眺めてる人、みなそれぞれが汽車旅を満喫している。ちょっと残念だったのは、桜の花がちらほらといった程度の咲き具合で、これが満開だったらどんなに素晴らしかったろうか?地元の方たちは列車が過ぎ去っていくまで盛んに手を振っていた。スイッチバックした後もまたこちらに向かって手を振っていた。列車はさらに高度を上げ、やがて一番景色のいいところで停車する。霞がかかっているので桜島の姿は確認できなかったが、まずまずの天気で十分満足のいく眺めを目にすることができた。しんぺい号は次の矢岳で再び数分の停車となる。到着するとみな一斉にSLの展示の方へと向う。実にきれいに手入れがされていて、D51はいまにも走り出しそうだ。次の大畑ループ・スイッチバックは最後の見所になる。停車時間はわずかだったが、咲きはじめた桜をバックに遠くからみたしんぺい号はなかなか絵になるなと思った。楽しい時間はあっという間に過ぎてしまい、やがて終点の人吉駅へと到着する。ここでも九州横断特急に連絡しているので、さらに球磨川沿いに下っていけば肥薩線の旅も完璧なものになったが、今日はここで切り上げることにした。(後日談:その後、人吉に再訪する機会がありました。旅日誌はこちらをご覧ください。)
いさぶろう・しんぺい/九州横断特急
人吉からは鹿児島方面へ戻る感じに移動する。人吉駅をあとにして、しばらく歩いていったところにバスの営業所と停留所がある。上着が邪魔に感じるほどの暖かさだが、残念ながらこの陽気で桜が満開になるような気がした。今日は鹿児島空港から空路東京へ戻ることにしている。ここまで来るのにこの上ない汽車旅を味わってしまったせいか、ただバスで高速道路を行くのが何だか物足りなく感じられた。そういえば今日はANA便での帰京なので、初めて羽田の第二ターミナルに下りることになる。わずかひと区間だがモノレールを利用して伸長されたところを通っておこう。京都を離れるときと八代あたりを除けば、雨の天気予報は外れてくれてとてもラッキーだった。満足感という意味では、単にJRの乗りつぶしを終えることができたこと以上に上質の汽車旅ができたことの方が大きかったのは言うまでもない。次もまたこんな楽しい旅ができたらいいなと素直に思った。
人吉