■旅日誌
[1997/9] 日帰り名所めぐり
(記:2004/12/19 改:2022/1/2)
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来年の長野オリンピックに合わせるようにして、長野へ向かって新幹線が開業します。その裏で横川-軽井沢間の廃止も決定しました。いうまでもなくとても有名な場所で、廃止を名残惜しむ声も多く聞かれました。この日は日帰りでしたが、横軽の訪問を果たしあわせて土合駅へ足を延ばすことにしました。
 日帰り
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
横川、土合
北陸新幹線(長野新幹線)開業に伴い、信越本線の上下分離が決定された。簡単に言ってしまえば、この先新幹線と並行する在来線は原則廃止ということになる。長野へはフル規格での新幹線が敷設されるため、信越本線にもこのルールが適用される。篠ノ井-軽井沢間は第三セクターへ運営母体が変わり、高崎-横川間はローカル線として細々と残される。そして、横川-軽井沢間は完全に廃止されるという。文字通り、歴史的遺物となってしまうわけだ。(後日談:その後、何回か横川へ行く機会がありましたが旅日誌はこちらとをこちらご覧ください。)
なぜか前日徹夜をして南武線の始発に乗ってまずは川崎駅へ出てきた。京浜東北線に乗り換え、徐々に空も白々としてきた。上野から高崎線に乗ってホッとしたのか、睡魔に襲われ気がつけば高崎のすぐ手前を走っていた。思いっきり早い時間のはずなのに、同じパターンで行動する人は多く、信越線の普通列車は既に満員に近かった。横川までは外の景色を楽しむまでもなく、再びうっつらしながら時間が過ぎていった。車内は満員だったので、一旦外へ出てその辺の様子を見てみることにする。何だか知らないが、物凄い人の数である。これじゃぁ、ELの連結風景など見てられない。混雑の中、とりあえず列車は出発することができた。
行けるところまで行って、とんぼ返りする。着々と新幹線の工事は進んでおり、立派な高架軌道がところどころ見えていた。再び上りの普通列車で今度は峠を下ってくる。先程の混雑から今度ももっと凄いことになるのは簡単に予想できたので、出口と逆の扉に張りついておくことにした。案の定、軽井沢ではこれでもかというくらいの人が乗り込んできて、ワーとかキャーとか悲鳴が上がりラッシュアワーなんてものではなかった。のんびり車窓を楽しむどころではなかったが、結局これが最後の横軽通過であった。
今日はここから少し足を延ばして、土合駅まで行ってみることにした。上越線の水上行きの普通列車はロングシートで味気ない。再びまったりした状態で水上駅へ到着する。ここで新潟カラーの長岡行きに乗り換え、上越国境を目指す。土合駅はトンネル駅として全国的にも有名であり、一度来たいと思っていたところでもある。今日は何となく目的の方向が近かったので立ち寄ってみることにした。まだまだ夏の暑さが残る中、闇の中の不思議な世界へ下りてみる。一瞬ヒヤッと感じるが、湿度はかなり高い。乗ってきた列車はモーター音を響かせトンネルの先へ消えていった。1日数本しか通らないので、ここへやってくるのは難易度が高い。念願叶った気分のところへ、ここに取り残された感じが何ともいえない。このままホームに止まっていても仕方ないので、上りホームへ向かって階段を登ってみることにする。斜め上一直線にのびた階段を見上げる。いやぁ実に圧巻である。あらためて途中振り返ると、暗闇に向かって続く階段は何か吸い込まれそうな異様な感じがした。(後日談:その後、土合駅を再訪する機会がありました。そのときの旅日誌はこちらこちらをご覧ください。)
地上へ出てくると、そこも何もない無人の駅舎がひっそりと建っていた。当たり前だが、駅前の周囲は山ばかりである。上りのホームは何の変哲もない簡素なもので、次の便までここでしばらく待つことになった。あとはここから乗り継いで帰るだけである。わずか数時間の旅であったが、実に印象に残る体験をさせてもらったようである。ただ残念なのは、横軽はもっと静かなときに来たかったが、残りわずかとなったときはもっともっと騒がしくなることだろう。ちっと複雑な気分になってきた。