■旅日誌
[2011/10] 草津よいとこ
(記:2012/3/15)
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ここのところ仕事のオン・オフがつかなかったので、何となくぷらっと出掛けたいなぁ~と思ってたところ、たまたまリゾートやまどりに空席があることを見つけ、草津方面を目指すことにしました。というわけで、週末を使って草津温泉と白根火山に行ってきました。
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 1日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
吾妻線/リゾートやまどり、白根火山、草津温泉
別に強い思いがあるわけでもなく簡単に行けそうなところを探してみたところ、吾妻線に新しい観光列車が走るということを知り、空席を照会してみたところあっさり取れてしまったのでとりあえず出掛けることにした。新しいといっても、正確には元あったジョイフルトレインを再改造したものでリゾートやまどりというニックネームまで用意されていた。そこで、どんな仕上がりなのか一度見ておかないといけない、、、というのはただの言い訳で、何のことはない、いつもの逃避行ってやつなのだが。(苦笑)そんなわけで、無理すれば日帰りも可能だったが、折角なので少しだけ足を延ばして草津温泉で一泊しておくことにした。
リゾートやまどり
まずは、リゾートやまどりの出発地である高崎へ向かうことにする。新幹線に乗らなくても到達可能な距離ではあるが、鈍行で行くとなるとそれなりに時間がかかる。そこで思いついたのが武蔵小杉から湘南新宿ラインのグリーン車を利用すること、、、まぁ、普段よりちょっと早めに家を出なければならないが、土曜日のこの時間ならグリーン車にも空席はあるだろうし、悪い選択肢ではない。多摩川を渡り、大崎を過ぎて山手線に入った後、渋谷、新宿、池袋と停車して行く。この辺りで、いままで座ってた人のほとんどが入れ替わるった感じだった。どこから乗ってきたかはっきりとは覚えてなかったが、通路を挟んで向こうの座席に座ったサラリーマンは崩れるようにして爆睡モードに墜ちる。そうか、週末飲み明かしたな…。するとしばらくして、隣に座ってた年配の男性がグリーンアテンダントにクレームを付け始めた。2席独占してる様子を見て腹を立てたか、語気を強めて「どういうことだ!」と食ってかかる。正直、とぐろ巻いている姿も喰えたもんじゃないが、ここで大声出すおっさんもどうかと思う。おいおい、グリーン車選択したメリット台無しだぞ!
リゾートやまどり
アテンダントの方はというと、場慣れしているのか波風立てずうまいこと言ってやり過ごしていたが、大宮を過ぎて座席のランプが赤に変わり誤乗だということが分かると本腰を入れて対応を始める。「お客様、お客様、、、」かなり強く揺すってみたところで起き出す気配はまったくない。あきらめたというわけでもないだろうが、一旦この場から去っていってしまった。周囲も「いいから放っとけよ」という空気になったが、本当にやばいことになったら責任問題にもなりかねない。数分後、車掌のアナウンスが入る。「業務連絡、グリーンアテンダントは車内無線に出てください」続いて「お客様にお知らせいたします、この電車は次の駅で車内整備のためしばらく停車いたします」すると次の駅で駅員2名が乗り込んで"車内整備"を始めた。「お客さぁ~ん!さぁ、降りますよ!!ほれ、ほれ、、、」例の大トラを引きずるように外へ出し列車は数分遅れで出発した。その後の回復運転と熊谷での特急通過待ちのおかげもあって高崎には定時で到着することとなった。恐らくこういったケースのマニュアルもあるだろうし、それなりに訓練も受けてるはずだが、頼りなさそうに見えたグリーンアテンダントも外と連携しきっちりと現場を仕切っていた。さすがプロ、これぞ日本のサービス業!といったところだろうか?
吾妻線・樽沢トンネル
さてと、気を取り直して高崎駅で目的の列車を待つ。リゾートやまどりは、7月のデビュー以来、週末を中心に吾妻線に充当されていて、10月の三連休には臨時の特急電車として新宿まで運転区間を延ばしていたこともある。前述の通り、ベースとなってる種車は、かつてはせせらぎとやまなみという名前のJTだったが、どういういきさつでリニューアルされることになったのかはよく分かっていない。すっかり生まれ変わった車内はまるで新車のようで、2+1シートは特急のグリーン車と見間違えるほどだ。それでいて今日は、快速扱いのため指定料金だけで乗ることができるので、大変乗り得感のある列車ともいえる。吾妻線というと、普段馴染みのない盲腸線のイメージが強く、前回乗ったのはいつのことだかはっきりしないが、乗りつぶし目的でやって来たことはある。そのときは大した目的もなく大前まで往復しただけだったが、今日は長野原草津口で途中下車する形になる。
草津温泉
先日、SLみなかみに乗ったのは記憶に新しいところだが、高崎駅出発後、しばらく行った渋川駅から吾妻線へと入っていく。列車吾妻川に沿うように進んでいき、車窓からは山間の景色を眺めることができる。もっと混雑していることを予想していたが、ほとんどが空席で何だか肩透かしを食らった気分だ。その後JR東日本の担当者が利用者の"声"を集めにまわっていたが、思わず宣伝不足じゃないの?と言ってしまった。そうこうしながら、先頭の展望席を見に行ったりしてるうちに、日本一短いトンネルである樽沢トンネルを抜け、やがて建設途中の八ッ場ダムの様子が目に入ってくる。そういえばこの路線も敷き直しが計画されてるらしいが、実際のところどうなのだろうか?そして列車はおよそ1時間20分で終点の長野原草津口へ到着、短い間だったがリゾートやまどりの旅は終わってしまった。に着いて列車を後にすると、どういうわけか地元の方が温泉饅頭を配っていて、さらにはSLのデザインが描かれた紙袋を渡される。中を見ると観光用のパンフレットのほかに「八ッ場の水」とラベルの貼られたペットボトルと見事なまでに太った(?)リンゴがひとつ入っていた。駅前では、多くの人がやまどりの到着を待ち構えていてようで、机いっぱいに広げられたお土産品は採り放題、遠慮するどころかどうぞどうぞと次から次へと手渡されてしまった。
草津温泉
草津温泉から離れた場所にあるので、路線バスで移動しなければならない。どうやらリゾートやまどりの到着にあわせて臨時の直行便が出るらしい。バスには地元のボランティアの方も同乗してきて、先程のお出迎えのことや、道中観光案内が続く。今年の紅葉はちょっと遅れているようで、見ごろのピークは少し先だという。草津節を奏でるメロディーロードを過ぎるとバス草津温泉界隈へと入っていく。長野原草津口駅から30分ほどの移動で草津温泉ターミナルへとやって来た。バスターミナルは駅のようなつくりになっていて、建物の脇にある足湯から上がる湯気をみると温泉地にやってきたことを実感する。ここでの乗り継ぎは多少余裕を見ていたので、しばらく町歩きしてみることにした。
白根火山
だらだらとした坂道を下っていき湯畑へと出てきた。旅番組などでもよく目にするこの光景草津温泉のシンボルみたいな場所だ。立派だとは聞いていたが、想像以上に大きい。立ち上がる湯気、ほのかな硫黄のにおい、圧倒的な湯量、見てるだけで意外とテンションが上がってくる。再びここには戻ってくるだろうから、ひとまず湯畑を後にして温泉街を歩いてみることにしよう。思い起こせば草津温泉に来たのは実は初めてのことなのだが、雰囲気のある町並みはどこか懐かしさを感じる。そうこうしながらしばらく移動し西の河原へとやって来た。ネーミング通りいかにもといった景色が広がり、とりあえず一周してみる。そして再びバスターミナルへと戻ることにした。
白根火山
今日はまだまだ時間に余裕があるので、これから白根火山へ向かうことにしている。本数はあまり多くないものの路線バスを使えば比較的簡単に往復できそうだ。時刻表を見ると、JRバスの他に西武系草軽交通の便が出ており、次の草軽交通のバスを待つことにする。少々小ぶりなバスに乗り込み、草津の中心部を抜けるとやがて車窓高原の景色となり、さらに高度が上がるにつれて荒涼とした光景が広がる。バスの他にもロープウェイ火口付近まで行くルートがあるようだが、冬場はスキー場として使われるみたいだ。道路は右に左とカーブが続き、さらに上り坂を駆け上がっていく。ところどころ蒸気が上がってるところもあったり、火山ガスの影響だろうか頂上付近植物が育ちにくいようにも見える。
白根火山・湯釜
やがてバスは目的地である白根火山へと到着した。大きな駐車場にはレストハウスや観光案内所が併設されている。折角ここまで来たので湯釜と呼ばれる火口湖が見られる場所まで行ってみるようと思う。いくつかある展望台のうち、西側の展望台は火山ガスの影響を受けないためそこから湯釜の見学ができるらしい。人の流れがそちらの方へ向かっていたので場所を間違えることはなさそうだが、視線を上に向けるとかなりの距離を登っていかなければならないことが分かる。意を決し、つづら折りの坂道に足を踏み入れることにした。いまさら普段の運動不足を嘆いても仕方がないが、振返れば登り始めた場所も涸釜も眼下に見ることができる。きっとこの先にはすばらしい景色があるだろうと信じてとりあえず頑張ってみることにした。あまり時間は気にしないようにしていたが、足場の悪いところ上り切り、さらに先へと進むと遂に湯釜が望める場所へとたどり着くことができた。湯釜というのは白根山の火口にできた火口湖のひとつで、エメラルドグリーンの湖面不気味なまでに美しかった。今日は天気もよく風も穏やかだったので、トレッキングには格好なコンディションだったが、この景色を見れば苦労して登った甲斐があったなと思えてきた。
白根火山
遠目に見る神秘的な妖艶さも、近づけば有毒ガスで一溜まりもないのかもしれない…などとしばらく湯釜の景色に見とれていたが、息も落ち着いてきたのでここから"下山"することにした。先程の坂道をそのまま下りていき、無事に麓まで戻ってきた。歩きっぱなしだったのでレストハウスで休憩をかねて軽く何か食べておこう。次のバスを待つ間、もうちょっとだけ時間があったので、先程上から眺めた涸釜のまわりを一周してみることにした。ほとんど歩いてる人もなくやや寂しい感じがしたが、の周囲は歩きやすく整備されていて、何よりの向こうに見える白根山の景色はなかなかになってよいではないか。こいつはちょっと得した気分だった。
白根火山・涸釜
適当なところで白根火山めぐりを切り上げ、再びバス草津温泉へと向かうことにした。道すがらあらためて車窓に目をやると、そこには不思議な光景が続いている。程よい疲労感の中、催眠術にかかってしまったかのようにまったりしていると、突然バスが停車、運転手さんからカモシカが現れたとアナウンスが入る。そんなこんなしてるうちに再び草津温泉のバスターミナルへと戻ってきた。その気になれば日帰りもできなくはないが、折角なので、今日はこのまま草津に投宿することにしている。そうとなれば、もう少しウロウロしてみることにしよう。
草津温泉・湯もみ
少し前まではあまり気にはならなかったが、やまどりの中で配られたパンフレットの中にクーポン券が付いていたので、湯もみの様子を見学しておくことにした。少々古めかしい建物の中はどこか見覚えがある雰囲気がして、気がつけば見物客で満員になっている。おお、来た来た、、、拍子木の音が鳴り響き、草津節の唄とともに湯もみが始まる。♪草津よいと~こ一度はおいで、ア~ドッコイショ、お湯の中にもコーリャ花が咲くヨ~、チョイナチョイナ、、、TVでもよくみるあのシーンだった。ちょっとレトロな感じのする不思議な踊りあり、一般参加のコーナーもありと、まぁそれなりに見てて楽しいものだった。湯もみショーを見終わり、何となくふらふらした後で、夕食を済ませるとあたりはもう暗くなっていた。あらためて湯畑のところまで出てくると、暖かな灯りでライトアップされている。もうもうと立ち上がる湯気が浮かび上がり、どこか幻想的な光景だった。
草津温泉
 2日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
軽井沢、JRバス関東/碓氷線、横川
明けて翌日は草津温泉から、軽井沢方面へ抜けることにしている。詳しくないのではっきりしないが、草津軽井沢の間にはかつて軽便鉄道が走っていたようにも思う。今日はバスで少々時間をかけて移動する。バスターミナルの窓口でA4用紙に印刷された切符を購入し、待機していた西武高原バスに乗り込む。乗客数名を乗せたバスは草津を出発し、しばらくすると車窓は高原の景色へとかわる。嬬恋村といえば高原野菜のイメージが強いが、一面広がる畑はいかにもといった牧歌的な光景となる。万座・鹿沢口駅で時間調整し、再びバスは出発した。
草津温泉
きれいに整備された鬼押ハイウェイバスは軽快に飛ばしていく。浅間山が目の前に迫ってきたところで、鬼押出し園を経由する。あまりよく分かってないが、ここら一帯は浅間山の噴火で流れ出た溶岩で埋め尽くされた場所で、公園として整備されたのがここ鬼押出し園とのことらしい。日本ロマンチック街道と合流し、しばらくカーブが続いた後で中軽井沢へとたどり着く。その頃から渋滞が目立つようになった。このままズルズルといくのもいやだなと思っているとバスは国道を避けるように脇へと入っていく。軽井沢らしい雰囲気の中、木々に囲まれた道を進みバスは終着の軽井沢へと到着した。いつしか雨も降り出していたが、う~ん、昨日に比べてテンション上がってこないな…。いまいち気分も晴れず軽井沢に留まる必要もないので、次の移動手段として考えてた横川行きのJRバスに乗り継ぐことにした。
浅間山
長野新幹線が開業し、信越本線が廃止されてしまったことによる転換バスとの位置づけではあるのだが、日に数本と便数は決して多いとは言えない。時間によってはバイパスを経由しない便も設定されており、そいつに乗ればかつての横軽区間を懐かしむこともできるようだ。バス軽井沢を出発し、途中、眺めを楽しむ余裕もなく横川まで一気に下っていった。横川駅へ到着しバスを降りると、軽井沢にいたときよりも雨は強くなっていた。久しぶりの横川だったが、この雨ではどうしようもない。仕事の都合で夕方までに戻らなければならないので、特に何もすることなる素通りすることにした。まぁ、せめても…ということで、峠の釜飯を掻きこんでおく。
西武高原バス
信越本線とは名ばかりで単なるローカル線になってしまったが、雨の中湘南色の電車がやってきた。短い時間ではあったがひと時代戻ったような感覚を覚える。高崎に到着し、一旦列車を降りると、同じ車両がそのまま両毛線へ入っていくらしい。そんなわけで再び同じ電車に乗り込み、両毛線伊勢崎まで移動することにした。
JRバス
最後は東武線を乗り継いで都心方面へ戻ることにしよう。さすがに伊勢崎線との乗り継ぎは最悪だったが、普段あまり利用するルートでもなくとりあえず物珍しさ程度でこちらにまわってみた。結局、2日目は尻つぼみのような格好になってしまったが、逃避行の目的は果たせたので、まぁこれでよしとしよう…。
信越線