■旅日誌
[2004/8] 忘れ物にご注意?
(記:2004/8/22 改:2021/8/8)
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乗りつぶしを意識し始めた頃には、どうでもいいか…くらいにしか考えていなかったのですが、この時期になぜかガーラ湯沢へ行ってきました。よく知られてるようにガーラ湯沢はJR東日本関連のウインターリゾート施設として有名ですが、越後湯沢からの上越新幹線の引込み線を利用してスキー場に直結する形でシーズン限定で営業しています。この夏は夏季営業をするということが分かり、それはいい機会かも(?)ということで訪問してきました。ついでというわけではありませんが、帰り道に土合駅へも足を延ばしています。
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 日帰り
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
越後湯沢、ガーラ湯沢、土合
周囲の目は気にせず、今週の土曜はお休みをいただくことにした。もちろん会社は土曜=お休みなのだが「あれ、休出しないの?」と当たり前のように何人もの人に同じ質問をされてしまった。そういう流れは早く断ち切りたいものである。(笑) 話しの順番がおかしくなるが、普段あまり立ち読みなどしない時刻表を何かに引かれるように手に取りパラパラページをめくっていたところ、上越新幹線のページでガーラ湯沢への臨時列車が数日設定されているのが目に留まった。冬季以外に営業された記憶はあまりないのだが、もっと詳しい情報を求めにJR東日本のサイトを確認してみると、トレッキングなど企画ものが設定されておりそのために下りの直通列車が1日2本だけ運行されることが分かった。お盆の時期はガーラ湯沢へは向かわず新潟を往復するようだったが、何日間はガーラ湯沢行きのMAXたにがわが引かれていた。
MAXたにがわ
乗りつぶしを進めていくと、なかなか手強い相手というのがいくつかあり、大げさに言うとカベに当たった感じがする場所がある。例えば、極端に運行本数が少ないとか、地理的に不便なところにあるとか、他線との接続がよろしくないとか、これまでも何となく工夫しながら、いや、逆にそれを楽しみながら進めてきていた。しかしながら、越後湯沢ガーラ湯沢間はかなり特殊な事情で、期間限定の臨時駅ということもあり、ほとんど見て見ぬ振りをしていた。この辺の事情は、似たような話しがいろんなページに紹介されているので参考してしてもらうといいかもしれない。ところで、最近はスキーに行く回数もめっきり減ってしまい、特に仕事替えをしてからは普段の忙しさのせいで時間的にも体力的にもまったく余力がなくなってきたこともあり、そういったものから縁遠くなっていた。そこへきて今回は思いがけない情報を入手し、急遽乗っておきましょう!と決心(?)したわけである。
ガーラ湯沢
急に思いついたこともあり、心の準備などする間もなく週末を迎えてしまった。帰宅してみればいつものようにとっくに日付もかわり、遠征当日になっていた。TVではオリンピックの話題で持ち切りであるが、そうのんびりともしてられない。とはいうものの、まだまだ続く昼間の暑さと1週間分の疲労の蓄積を拭い去るためにゆっくり風呂くらい入りたい。だがそうこうしてるうちにどんどん時間が過ぎてしまい、どう考えても睡眠時間が2~3時間くらいしか取れない事態に陥ってしまった。危険だから見送るかとも思ったのだが、朝起きてから行動するか決めることにした。簡単に言ってしまえば、寝坊してしまったとか、起きたけども体が全然いうことをきかないとか、そんな感じで様子をみてみようというわけである。幸いにも、目覚めは悪くなく頭も冴えていたので、早速出掛けることにした。
ガーラ湯沢
あとひとつ準備してなかったのが、東京駅から新幹線に乗るのかどうかを決めていなかったことだ。最近車で遠出してないこともあり、迷った挙句、この際思い切って越後湯沢まで車で行くことにした。そのためは、家を7時には出なければならない。ただそれは順調にいっての話であって、できれば1時間は余裕をみておきたい。あまりにも何も準備してなかったので予想以上にバタバタしてしまい、さらに途中でガソリンを入れたりとかしてるうちに30分くらいロスってしまった。いざスタートしてみたものの、日曜日のようにどこもスイスイというわけにもいかず、関越に乗る前でところどころ渋滞にはまり、思いのほか時間的に厳しくなってしまった。もし練馬の入り口に8時までに到達できなければ諦めることも覚悟したが、どうにか8時数分過ぎに環八→笹目通りから谷原の交差点を抜けられることができた。とりあえず、先へ進むことにしよう。既に一般道でもイライラ感がたまってきていたが、高速に乗った後もかっとびモードに徹することができず、どうもペースがいまいち悪い。ただ、この先の渋滞情報はまったく入ってこないので、こういうときはひとつ落ち着いて周囲の流れに乗って行くしかないだろう。
越後湯沢駅
結果的には10時前に湯沢ICを降りることができた。ここまで来れれば10時半のMAXたにがわに乗ることができそうだ。越後湯沢駅の西口へまわり駐車できそうなところがないか流してみるが、なかなか都合のいい場所がない。駅を越えてしばらくして、町営駐車場を見つけることができたので早速そちらへ車を回すことにした。新幹線の高架下には数十台は停められるスペースがあり、冬季以外のシーズンオフは5時間未満なら無料とのことなのでそこに車を置くことに決めた。温泉宿やお土産屋が連なる道を越後湯沢駅まで戻り、ガーラ湯沢までの切符を買うことにする。特に怪しまれるようなこともなく(?)、1駅分の乗車券¥140と専用の特急券¥100分をマルスから発券してもらいホームでMAXたにがわを待つことになった。
ガーラ湯沢までの乗車券・特急券
新潟行きの初代MAXを見送り、続けて目的の列車がやってきた。予想通りというか、越後湯沢を出るときにはガラガラで、ほぼ貸切状態のまま越後湯沢を出発する。本線とは別の引込み線をゆっくりと進み、短いトンネルをひとつ抜けると、あっけなく終点のガーラ湯沢駅へ到着。所要時間はわずか3分、ひょんな形で未乗の区間をひとつつぶすこととなる。結局ガーラ湯沢駅に降り立ったのは、十数人程のレジャー目的の人たちとそれに混じった"物好き"たち数名、妙に行ったりきたりしながらカメラをあちこち向けている。シーズンオフ真っ只中(?)の臨時駅は人が行き来することも少ないだろうしどんなものかと思ったが、改札を出てみると建物の中はとてもきれいでゲームセンターなどもにぎにぎしく営業していた。もちろんお客さんは数える程だしレンタルスキーの営業などもまったくやっていないので寂しいのだが、それほど寒々とした感じでもなかった。今日の旅客営業は午前中の下り2本のみで、駅員は改札口で切符を受け取るだけで自動改札も券売機もみどりの窓口も開いていない。当然のように、すぐにシャッターは閉めらてしまった。しばらく駅の周囲の様子をみてみる。ガーラ湯沢はスキー場としても評判は悪い方ではないという。ときどきゴンドラが上っていくのが見てとれる。3FのSPAも営業するのだろうか?車も何台か止まっていたので、新幹線だけではなく車でやってくる人も少しはいるのかもしれない。駅とは反対の方角に目をやると上越線が大きくカーブし、国道17号や遠く関越道も見下ろすことができた。しばらくするとシャトルバスがやってくるようなので、こいつで越後湯沢駅へ戻ることにする。総勢10名ほどの物好き集団も同じ行動となる。バスを待ってる途中、無人のホームからは「東京行きの列車が発車します」といったアナウンスや発車ベルが聞こえてきた。夏のこの時期は折り返し用の留置線として本来の役目を果たすだけだ。先程窓口にいた駅員2名はすぐ近くに止めてあった乗用車に乗り込み、自らの運転でここガーラ湯沢駅を後にした。無料シャトルバスの運転手からは「もし途中に寄る人がいなければ越後湯沢へ直行してしまいますが皆さんよろしいですか?」といった質問がされた。誰も注文をつけることもなく、数分してバスは越後湯沢駅へやってきてしまった。
越後湯沢 上越新幹線MAXたにがわ
さて今日の予定はこれでおしまいなのだが、時計を見るとまだお昼前でもある。旅気分=駅弁と勝手に決め、適当なものを買い込むことにした。迷う程種類があるというわけではないが、何気なく選んだお弁当は舞茸をふんだんに炊き込んだおこわがメインでとても美味しかった。お昼にしながらこの後今日はどうするかを考え、なんとなく土合駅へ行ってみることにした。鉄道路線でいうと、上越線の清水トンネルの向こう側にあたる。車で行くとすると、高速で関越トンネルを戻るか、国道でやや遠回りしながらの二通りがある。まだまだ時間はあるので、国道17号で苗場、猿ヶ京を経由していくことにした。ナビの指示によると猿ヶ京から水上方面へは、県道270号を使うようなルートになっている。県道は全線対面2車線で楽に走れる道路だった。もちろんアップダウンや急カーブは少なくないのだが、エンジンブレーキをやや強めに効かせれば楽に攻めていくことができる。途中のサミット越えのトンネルもあたらしくできたようで、数台しかすれ違わない道路にしてはとても贅沢なところだった。川を挟んで水上駅とは逆側を国道291号で北上する。途中湯檜曽駅の近くを通り、止まってみるとループ線が山の中腹を走っているのが見えた。このまま国道を進むと最後は谷川岳ロープウェイの麓へ行くことになるが、今日はその手前の土合駅までの往復とする。(後日談:その後、土合駅を再訪する機会がありました。そのときの旅日誌はこちらをご覧ください。)
土合駅
土合駅はあまりにも有名なのでいまさら説明を加えるまでもないが「モグラ駅」と称されることがよくある。それは下りのホームのことを指しているが、上り側は簡素なホームだ。国道291号をまたぐ形で連絡通路を抜けると、そこからは四百数十段の階段が斜め下一直線に地底の方向に向かってぽっかり口を空けて待っている。去年筒石駅へ行ったのは記憶に新しいが、どちらも似たようなものと言っていい。無人駅ではあるのだが、トンネル駅を見物に来る人の数は結構多く、それなりに有名な場所になってるようだ。実は自分もここへ来るのは2度目で、前回は横軽廃止直前にやはり帰路ついでの立ち寄りであった。一定の角度で降りていくと平衡感覚がおかしくなりなりそうに感じるが、ゆっくりと下ってプラットホームまでやってきた。上を見上げると、どことなく幻想的な風景が広がる。駅の説明をバックに記念撮影する人も少なくない。気温は1年を通じて一定であり、この時期はとてもひんやり感じる。水上-越後中里間の上越国境越えは極端に列車の本数が少なく、時刻表を見ると実際に日に5本しかないことが分かる。運良くあと十数分するとその中の1本がやって来るのでしばらく待つことにした。やがて霧のかかった暗闇の向こうから普通列車が入ってきた。降りたのは2、3人で、モグラ駅見物にでも来た様子だった。普通列車を見送り静寂が戻ったのを見届けてこの駅を後にすることにした。階段をひたすら上り通路を通ってもと来た駅舎へたどり着いたときには、再び夏の暑さの感触が戻ってきていた。
土合駅
土合駅はあまりにも有名なので朝早かったし、今日はもうこのまま帰宅することにした。帰りの関越道は快調ではあったが、普段のペースとは若干遅めを意識して休憩も多めに取ることにした。ところが高速に比べ一般道の混雑は相当ひどく、行きとルートをかえてみたものの途中の事故渋滞やらで倍以上の時間がかかってしまった。ふと思い立ったガーラ湯沢訪問ではあったが、何か忘れ物を取りに行ったような日帰り旅行であった。
上越線・土合駅