■旅日誌
[2017/8] 棚ぼた夏休み、インドネシア
(記:2018/5/1 改:2021/7/4)
写真をみる
仕事の都合もあって、今年も恒例の変則飛び石日程になってしまいましたが、どうにか休みを固めてみました。となれば逃亡、幸運続きでゲットしたチケットでクアラルンプールを経由してインドネシアへ遠出しました。
※下線部をクリックすると写真が表示されます
 1日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
成田空港、MH89、クアラルンプール国際空港、GA819、スカルノハッタ国際空港
話すと長くなるが、A380巡礼もそろそろ手詰まり感があり、マレーシア航空A380が来年退役濃厚という情報もあって、GWにはNRT-KUL-LHRというルートに目を付けていたのだが、なぜか西安になったのは過去の話。マレーシア航空と言えば、AirAsiaの猛追やくだんの件もあり他のFSCに比べお安めなのは周知の事実で、唯一A380が就航してるロンドン便も手が届かないこともなかったのだが、この夏、多客期限定で成田と仁川に飛ぶというニュースを聞きつけ日程パズルに挑んだところ、奇跡的にはまったというわけだった。ついでにKLIA乗継ぎを付けて単純往復より安くなるパターンを探り、定番のBKK、SINではなくCGKを目指すことにしたのはご愛敬??でもって、ある日、そんなこんなをシミュレーションしていたら、いつの間にか寝落ちしてしまい、翌日再検索してみると偶然にもMH恒例のゲリラバーゲンに遭遇。軒並み2/3~1/3という破格値、、、お目当てのチケットは約半額の10万を切る価格だったので即決。数時間には、めぼしいところは売り切れていたようだったが、みなさんよく研究していること。あとついでに、今回の成田便にはFクラスの設定がなく、もしやと思ってこまめにウォッチしてたら、往路の1A席でキャンセルが入り、おこぼれちょうだいでF席のC解放をゲット♪♪この便はワンワールド特典航空券で狙う輩は多いはずで、見えない敵に勝利した気分だった。(余談:別のところでA380に乗ったときの旅日誌はこちらをご覧ください。KESQTGEKOZCZEYQR
マレーシア航空・MH89便・クアラルンプール行き
午前の出発なので、いつもの筋で自宅近くからバスとNEXを乗り継ぎ成田へ向かう。マレーシア航空は同じワンワールドということでJALのラウンジへ案内され、搭乗開始までの合間で最後の和食をいただく。ちなみにマレーシアもインドネシアもイスラム色が強いのでアルコールは控えめ、、、そんなわけで朝から生ビールで締めてみた。旅の前から、、、何じゃそれ??JALカレーにありつけないことが分かればラウンジに留まる理由はないので、早々に搭乗口に向かうことにしよう。高揚する気持ちを抑えつつ、いよいよその搭乗機とご対面、おお、白を基調にしたカラーがいいねぇ!幸運も重なり、いまここに来れていることに感謝、感謝!そういえばその昔、インド出張に連れてかれたのはこの筋だったっけ?いやぁ、懐かしやら、ちょっとおかしいやら、思わずにんまりしてしまった。
マレーシア航空・MH89便・クアラルンプール行き
そんな浮かれ気分で搭乗機に乗り込み、フレンドリーなスタッフのお出迎えを受ける。多少の使い込まれた感はあるものの、今日はこの赤いF席を独占できるなんて…。ウェルカムドリンクはもちろんグアバジュース。期間限定とはいえ、マレーシア航空A380が定期便で日本に就航したのは今回が初めてで、その初日の1A席に座ってるというのは本当にラッキーだった。今日は未明から小雨が続いていたが、この怪鳥はそんなことをもろともせずにテイクオフ。KLまでは約7時間、ベルト着用サインが消え、機内サービスが始まる。マレーシア航空の上級クラスを利用すると、まずスタータで出てくるのがサテー。東南アジアでよく見かける焼き鳥のようなもので、ミックスと頼めばチキンとビーフを盛ってくれる。そして、たっぷりかかったピーナッツソースが秀逸で皿まで舐めたくほどの美味しさは知る人ぞ知る逸品メインはあらかじめメールでオーダーすることもできるので、シーフードココナッツカレーをリクエストしてあったが、CAさんからもオーダー承ってますよと声掛けがあり、前菜に引き続き、ちゃんと提供されてきた。快適フライトというのは本当に時間が経つのが早く、締めのリフレッシュメントをいただいて、あっという間にクアラルンプール国際空港に到着。いやぁ、本当に早かった…。
マレーシア航空・MH89便・クアラルンプール行き
この空港に立ち寄るのは三度目だが、なぜか不思議とそんな気がしない。次の乗り継ぎはと、、、トランジットカウンターに立ち寄ると、手書きのさらったとしたチケットらしきものとプラザプレミアムラウンジのインビテーションカードを渡される。ジャカルタまでは、敢えてコードシェア便でガルーダインドネシア航空にしてあったからゴールデンラウンジではないのかと…。まぁいい、帰りも利用するから、、、混雑したラウンジを後にしたのは日が暮れる頃だった。次のジャカルタ行き737-800、小さなフリートで過ごすのは2時間、A380と比べちゃいけないが、インターナショナルフライトなので、ひと通りのサービスが提供される。スカイトラックス社のエンブレムが誇らしげだったが、さすがGA、スタッフの応対はもちろんワンプレートながら食事も悪くはない。ちなみにこの日は背徳の(?)ビーフメニューを選択してみたものの、アルコールを頼む雰囲気ではなかった。スマトラ島上空を抜け、月明かりに照らされスカルノハッタ国際空港に到着したのは定刻からやや遅れて22時をまわった頃、新しいT3はまだ使い始めたばかりで、あちこちでガタガタと工事をしている。荷物を受け取り、ターミナル間を結ぶシャトルバスを探してと、、、そんなこんなでどうにか部屋に辿りついたのは日付が変わる頃だった。
ガルーダインドネシア航空・GA819便・ジャカルタ行き
 2日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
スカルノハッタ国際空港、GA204、ジョグジャカルタ空港、プランバナン寺院群、ボロブドゥール寺院群、GA215
昨晩クアラルンプールで乗り継いでスカルノハッタ空港(ジャカルタ)に着いたのはかなり遅い時間だったので、だったら今日は日帰りで高跳びすることにして、思い切ってジョグジャカルタへ遠征してみることにした。ジョグジャカルタはジャワ島中心部にある古都で、ジャカルタから距離にして500キロくらい、飛行機なら1時間もあれば移動できる。バリ島のようなリゾート地にはあまり興味はないので今回はこっち、、、東京から京都日帰りといったところだろうか。急遽決めたことなので、定番中の定番、プランバナン寺院群ボロブドゥール遺跡を日本語ガイド付きでチャーターしての見学を考えている。予約したGA204便は8時の出発だったが、余裕をもって早めに始動。幸いホテルはT2にあったので手荷物を預けて、面倒だったがT3バスで移動、無事搭乗手続きを済ませ、搭乗口近くで待ってる間に日が昇ってきた。1時間足らずの国内線なのでエコノミーで十分だったが、一応、スナックが提供される。決して美味しいものではなかったが、いつも言うように、まぁ、気は心といったところでだろうか?ジャワ島内部の景色は意外と変化に富んでいたように思う。ほぼオンスケでジョグジャカルタ空港に到着、歩いてターミナルへ移動、出口でガイドの方と落ち合う。
ガルーダインドネシア航空・GA204便・ジョグジャカルタ行き
まず先に行ったのがプランバナン寺院群。ここはヒンズー教寺院群でユネスコ世界遺産にも登録されている。広い敷地には美しいレリーフが施された建物がいくつもそびえ立ち、遠目にもそのスケールに圧倒される。さぁ、早速、見ていくことにしよう。凝ったレリーフはもちろん、シヴァ神をはじめ、ヒンズー教の神々の像もあって、ひとつひとつみていたら、いくら時間があっても足りなさそうだ。歴史的にみても地震の影響を受けたりして破壊と再建を繰り返してるのだとか。特に2006年のジャワ島中部地震の被害は甚大で、多くの塔が倒れてしまった話など聞くと、ちょっと複雑な気分にもなる。
プランバナン寺院群
今回、チャーターしたガイドの方は比較的ご年配の方で、現在のインドネシア情勢だけでなく、ご自身の生活環境や人生経験など、ちょっと個性的なキャラクターで持ち主だった。移動途中、ジャコウネコのコーヒーを扱うお店に立ち寄る。個人的にはこういう寄り道が好きじゃないので、さっさと先を急いで欲しかったが、諸々事情があってのことと割り切る。そしてインドネシア料理で昼食。お隣で先に食事をしていた日本人の方から「意外と良かったですよ」と教えてもらう。昼食後、1時間ほど車を飛ばしてボロブドゥール遺跡に移動する。ボロブドゥールは世界最大級の仏教遺跡ともいわれ、こちらもまたユネスコ世界遺産に登録されている。千年もの間、火山灰の下に埋もれていて小高い丘のようになったとか…。現地到着後、ボロブドゥールを担当するガイドさんにスイッチし、早速見学に向かうことにした。
インドネシア料理・昼食
しばらく歩いていくと、確かにこんもりとした小高い丘の上に大きな遺跡が見えてきた。ボロブドゥール大乗仏教の寺院だったと言われ、何層かの回廊から成り立っており、中央には一段と大きな仏塔(ストゥーパ)がある。どうやら建造物自体が立体曼荼羅を表しているようで、各階層には仏教にまつわる逸話を現したレリーフが施されていた。ガイドの方からいくつか話を聞かせていただが、このペースで全部解説していると、それこを何日もかかってしまいそうだ。そして上層円壇まで登り、しばしフリータイム。仏塔を見て回ったり、周囲の景色を見渡したり、憧れの地に来れたことに何というか、ある種の感銘を受ける。一日中ここにいてもいいくらいだったが、時間に限りがあるので、ガイドさんと合流してこの場所を後にした。最後にこの角度で写真を撮っておくといいと勧められ、しつこい物売りを避けるように道案内され敷地の外へと出てきた。
ボロブドゥール遺跡
最初のガイドの方と再び合流し、今日の帰路に着く。ガイドさん曰く、日本人はせっかちが多い、欧米人の中には1週間くらい時間をかけてまわる人も少なくないのだとか。というのも、あまり有名とは言えない周囲の寺院にも目を向けて欲しいということらしく、時間があるのでちょっとだけ寄り道してみないかと勧めらる。そういう申し出にはありがたく快諾し、改装中だったパオン寺院は遠くから眺めるだけにして、ムンドゥッ寺院に向かう。寺院近くに車を止め、大きなガジュマルの木戯れる欧米人を横目に建物へと向かう。さほど大きな寺院ではなかったが、内部には、釈迦如来像と半跏倚坐の菩薩像が残されていた。あとは空港に戻るだけなのだが、こちらの様子を察してか、やや申し訳なさそうに、お決まりコースになってるから銀細工のお店にも寄りましょうと言うことに…。確かに全く興味がなかったので、ここは強い意志をもってさりげなくスルー。まぁ、大人の事情だということは理解してるつもりなので、一応話は聞いておいたが。
ボロブドゥール遺跡
ドライバーさんの渋滞すり抜けテクにも助けられ、空港に到着したのは、ちょうどと搭乗手続きが始まる時刻だった。他にすることもないので、今日一日お世話になったガイドさんとドライバーに別れを告げ、そのまま手続きを済ませてしまおうと思う。ジョグジャカルタにあるアジスチプト国際空港は、ボーディングブリッジもないこじんまりとした地方空港だったが、有名な観光地を抱えてるだけあって、利用者も多く人で混雑していた。混雑空港にありがちな発着遅延は少々覚悟するとして、PCは持ってきているので適当に時間をつぶすことにするか。定刻からやや遅れたもののジャカルタに戻る便の案内が始まり、歩いて搭乗機に向かう。それにしても案内がアバウトで乗り降りする人が混とんとしていたが、この空港のセキュリティは大丈夫なのだろうか?
ボロブドゥール遺跡
帰りもガルーダインドネシア航空の便でジャカルタへ空路戻ることにする。GA215便は定刻から30以上遅れて出発、機材は相変わらずB737-800だったが、パーソナルモニタがついてるところ見ると、国際線にも使われるのだろうか?飛んでしまえば、フライト自体は順調、軽くスナックの提供があったがジャカルタまでは1時間ほど、気が付けば今日も東南アジアの旅を十分満喫していた。T3到着後、昨日と同様ターミナル間のバスT2に立ち寄り、預けてあったバックを受け取る。思ったより移動は順調、とはいえ時間が過ぎるのは早いもので、ホテルまでタクシーを利用するか、、、一応バスも確かめに行くと、ガンビル行きのバスが出るぞと急かされ、そのまま乗ってしまうことにした。途中、急な通り雨に遭遇した気がしたが、そんなに時間もかからずにガンビル駅に到着。ライトアップされたモナスを遠くにみながら、週末で集まった人々をかけ分けを離れる。さてと、確か歩けない距離でもなかったはずなので、このままホテルに行ってしまおう。
ガルーダインドネシア航空・GA215便・ジャカルタ行き
 3日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
ジャカルタ、ジャボタベック
今日は1日ジャカルタに滞在。都会の真ん中に滞在するか、それともちょっと外れでもいいのでゆったり過ごすか少しだけ迷んだが、ガンビル駅に近くでリゾートっぽい雰囲気のするところが目に留まったので"後者"にしてみた。プール付きの5つ星の贅沢なところだったが、びっくりするほど高いわけでもなく大正解。ちなみにホテルの名前はずばりボロブドゥール、、、昨日の余韻に浸ってるようだが、何より、スタッフの"あたり"が心地よかった。さて、優雅な朝食を済ませてから始動、まずは昨日通ってきた道のりを逆にたどり、ジャカルタのランドマークともいえるモナス(独立記念塔)があるムルデカ広場へ向かう。敷地が広すぎてどこに入り口があるのか迷ってしまったが、広々とした公園は憩いの場という感じで朝から人が集まって来ている。モナスの階下は歴史博物館になっていて、に登ることもできるようだったが、少し並ぶようなのでパスしておくか…。
ムルデカ広場・モナス(独立記念塔)
ところで、ジャカルタはあまり観光するようなところではないのだが、実は前々から来たいと思っていた場所で、今日はそれを実現するために1日あてることにしている。その思いというのはKRLジャボタベックジャボデタベックとも)を見にいくこと。そう、日本の中古車の電車バシバシ走ってる姿を見てみよう!というわけだ。朝一でモナスをさらっと見たあと、近くのガンビル駅には近郊電車は止まらないので、お隣の駅まで歩いてみることにした。
KRLジャボタベック
高架になってるジュアンダ駅に到着、自販機の列に並んでいると、指南役の方がすっと寄ってきて運賃チャージ用のプラスチックカードの買い方を教えてくれた。昨日からちらちらと列車の姿は見えていたが、いよいよ乗れるぞ!と思うとやはりテンションが上がってくるというもの。焦る気持ちを抑えつつも早足でホームに上がるといきなり入ってきたのが元東葉高速鉄道というか営団5000系、すぐ飛び乗るのも何なので、しばらく行き交う列車たちを眺めることにしよう。続けざまに元JR東日本の205系がやって来たので、乗車してみよう。今日は日曜だったせいか、この時間、車内はすいており、タイミングを見計らってパシャっと車内の様子を収める。205系と言えば、ふわっと沈む感じのシート、ドア横席の仕切り板、ラインデリアの扇風機の音、時折鳴らす警笛音など、日本時代がそのまま!それと6ドア車も一部残っていて、スペシャルペイントされていたのも興味深いところだった。もう一度、走る列車を見たくなったので、ジャカルタコタ駅の手前で降りてみる。元東京メトロの6000系を見送り、そして再び205系ジャカルタコタ駅へ。どの編成も前面赤と黄色のカラーで統一されていたが、車両の雰囲気は日本にいた頃のままでとても懐かしく思えた。
KRLジャボタベック
ジャカルタコタ駅頭端式のどこか異国情緒を感じる駅だった。いくつかの路線の起点駅で、ずらっと並んだホームの数の割に足場を組んで無理に高さを合わせたような場所があったり、南国らしい植物が生い茂っていたり、自然光を取り入れるような大きな窓があったり、細かなところに目を向けるのもなかなか楽しいものだ。一応、駅の外に出て雑踏の中を歩いてみたが、あまり治安が良さそうな感じがしなかったので、長居はせずに乗り鉄を再開する。乗車券を求める列は長く連なり仕方なく並んでいると、妙に視界が効くことに気がつく。そうか、インドネシアの人って意外と背が低いんだ、、、昨日の二人のガイドさんも小柄な人だなぁ~と思ったら、そういうことだったか。ようやく乗車券にチャージを済ませ、ホームに戻ると今度は今度は元JR東日本の203系が出発するところだったので、そいつに飛び乗ってみた。
KRLジャボタベック
いつしか車内は混雑してきて、日本だと7人掛けの座席には8人も9人も座っていた。ジャカルタ近郊電車は外国人の観光客や駐在員には不向き(無縁?)だといわれているが、思ったほど雰囲気(治安?)は悪くなく、生活路線としてすっかり馴染んだ様子だった。線路幅と電源電圧が同じというが一番の理由だというのはよく分かるのだが、それにしても、こんなに日本の電車が馴染んでいるのには驚きで、オペレーションやメンテナンスなど技術提供も精力的に行われていることだろう。ちょっと前まで屋根の上に人が乗っいたのが当たり前だったことを思うと、冷房の効いた自動ドアの車両は魅力的だったに違いない。日本でお払い箱だった一世代も二世代も前の中古車が、こうして活躍しているのは、ある意味嬉しくもの思う。
KRLジャボタベック
ボゴール・バガシ方面の路線でジャティネガラ駅へ出て、続いて環状運転しているイエローラインくへ乗り換える。次に待っていたのは元東京メトロの7000系。足回りは改造前の状態だったが、この車両は今でも日々乗っていることもあって、また違った意味で親近感を覚える。こちらの路線は先ほどの高架区間に比べ路盤の状態はあまりいいとはいえず、スピードもやや控えめ。ゆっくりとした走りが続いていたが、方々にスラム街が点在していて、沿線にもカメラを向けるには気が引けるところが多くある。これでも未だまともになったらしいのだが、あと数年すればもっと状況は変わってくるのだろうか?タンゲラン方面との接続駅であるデュリ駅で下車。205系のほかにも元東京メトロの05系6000系、、、このでもしばらく行き交う列車を眺めておくかな…。
KRLジャボタベック
再び移動、スディルマン駅を経由してマンガライ駅へ場所を移す。相変わらず行き交う列車を写真の収めながら過ごしていたが、時折、見覚えのある車番をいくつか見掛ける、、、例えばたまたまやって来た205-132。南武線時代に何十回と乗った車両で、まさか数千キロ離れた南半球でこうして再会するとは思いもよらなかった。残念ながら女性専用車両になっていたので中には入れなかったが、若い女性の車掌さんが車内放送しながらドア操作する姿はとても印象的だった。そしてもうひとつ、どうしても乗っておきたかったのが元東急の8500系で、折角なのでその8500系に乗車。界磁チョッパ制御のモーター音は日本時代そのもの!子供の頃から一番身近だった存在なだけに、ちょっと胸熱(!)な気分になる。とりあえず、そのままアンケ駅へ移動することにした。
KRLジャボタベック
気が付けば適当に乗っては撮り、乗っては撮りを繰り返していた。本当はもっとシュールな時代(?)に来てみたかったのだが、結構、廃車・更新が進んでるようで状態のいい車両が揃っているようにも思えた。この後も205系を中心に日本からの譲渡が計画されてるらしいが、ジャカルタ空港鉄道の開業など数年後には、ジャカルタの鉄道事情も変わってくるに違いない。次があるかどうか分からないが、もう一度来てみたいと思った。
KRLジャボタベック
そうこうして、スディルマン駅でジャボタベックの電車たちとはお別れ、その名の通りスディルマン通りに沿って行くと、ここらあたりは都市部というか、いわゆる都会の風景だ。ジャカルタ名物の渋滞、その対策のためのトランス・ジャカルタ、そしてセラマットダタンモニュメント。これだけ見るといかにも大都会といった感じだが、ちょっと前までいた場所を思うと、残酷なまでに格差社会を実感する。そしていかにも…って感じのショッピングモールにも立ち寄ってみたが、結局は呑気にメシなんて食ってたりすることに…。最後に夕暮れ間近のムルデカ広場を通って、ホテルまで戻ってきた。そんなドタバタな一日だったが、明日の午後には帰国の途に就く予定にしている。帰りも長い道のりになりそうなので、少し体を休むめておくか…。
ジャカルタ・セラマットダタンモニュメント
 4日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
イスティクラル・モスク、ジャカルタ大聖堂、スカルノハッタ国際空港、MH720、クアラルンプール国際空港、MH88
あとはもう帰るだけなのだが、ジャカルタの渋滞は油断ならないので、午後の便とは言え早めに移動しようと思う。他にめぼしい手段がないのでタクシーにしょうとしたら、ちょうどよさげな時間にホテルからシャトルバスが出てるのが分かりそちらを予約。となればもう少し時間が取れそうだったので、早めに朝食を済ませ、ホテル近くにあるイスティクラル・モスクカテドラル(カトリック大聖堂)を見学することに。宗教柄、インドネシアには方々にイスラム教モスクがあるのだが、イスティクラル・モスクはアジア最大のモスクとも言われ、巨大なフロアに20万人収容できるのだとか。ムスリムではなくても中に入ることができて英語のガイドさんが付いてくれるのはありがたいのだが、多額のお布施を強要されたりと、実はちょっと心して見学に臨むことに。早朝だったせいか、変なたかりのような人の姿はなく、ガイドさんも比較的まともな方で、ジャカルタの他にどこへ行った?とか、ありきたりなやり取りから始まり、ホールの説明、礼拝のしきたりや、ここからの眺めがよいとか、大きな太鼓を叩いてみたり、この写真の人オバマさんに似てるでしょ?などとお決まりのジョークも交えて30分くらい説明を受ける。ただ最後に「お布施が少ない!」と言われたが、あらかじめ財布の中身を適当に抜いておいて「ごめんね♪これが最後のキャッシュだよ」と言って、丁重にお礼を告げてその場を去ることにした。
イスティクラル・モスク
そしてもうひとつインドネシアらしいのは、通りを挟んで向かいにキリスト教大聖堂があること。このカテドラルも堂々した姿がとても印象的で、中に入ることもできる。薄明りの中に浮かび上がるステンドグラス、お祈りを捧げる方々、先ほどとはまた違った気持ちでゆったりと見学させていただいた。通り一本を挟んだお隣同士で、さりげなく異なった宗教が存在しているというのは、ちょっと不思議な感じもするものだ。朝の散策からホテルに戻りチェックアウトを済ませ、予約したバスで空港へ向かう。途中何ヶ所か経由するルートだったが、最初から乗っていたもう一組以外に乗ってくる人は現れず、ほぼ貸し切り状態。ジャカルタ街並みを眺めつつ、高速道路に入ったあとも渋滞にあうことはなかった。ドライバーの他にもう1名乗車していた若い乗務員に運賃を払い、利用するエアラインを告げてT2で降ろしてもらう。降車後、手を上げて合図を送ると、向こうも両手を合わせて笑顔で返してきた。旅の中、こういうのに出くわすもまたいいものだ。
カテドラル(カトリック大聖堂
空港には思いのほか早めに着いてしまったので、カウンターが開くまで少し時間を持て余してしまった。成田まで通しでチェックインを済ませると、複数あるラウンジからプラ・インダ ラウンジが案内された。普段なら日に1~2回しか食事をとらないのに、食い意地張ってついつい…ってやつだろうか、最後のインドネシア料理をここでいただく。焼きそばに、ちまきっぽいやつとご飯もの、あとは色のついたスープ…。一瞬で平らげたのはいうまでもないか。(笑)帰路もKL乗り継ぎなので、まずはジャカルタからクアラルンプールまでマレーシア航空B737-800で移動、小さな機体だったが、アジアのエアラインのスタッフというのは、どことなくフレンドリーで居心地がよい。女性のCAさんもそうだが、男性のスチュワードさんの応対もとてもナチュラルだ。わずか2時間のフライトだったが、きっちり昼食もいただく。最後はマラッカ海峡を左手に見ながら高度を落とし、緑に囲まれたクアラルンプール国際空港に到着、今回もまたリバースを作動させていない。天候にも恵まれたようで、とても快適に過ごすことができた。
マレーシア航空・MH720便・クアラルンプール行き
そしてクアラルンプールの乗り継ぎでは、MHのゴールデンラウンジでまったり過ごすことに…。思い起こせば、12年前、仕事でインドに連行されたときにここで乗り継ぎ待ちをしていた。インテリアはすっかり様変わりしたものの、妙に懐かしい。今ではひょいひょい海外に出かける出るようになってしまったが、あのとき行きは不安いっぱいで、帰りはようやく解放されたことの安堵感で、結構思い出の場所だったりする。ジャカルタのラウンジでのランチ、おやつ替わりの機内食でのチキンメニュー、さらにKLラウンジ到着後のマレー風カレー、、、これだけ食ったにもかかわらず、出発前も懲りずにヌードルバーへ立ち寄る。意外にもあっさりした味付けは日本人にも馴染みやすく、思わずおかわりしたくなったが、帰りの便のサテーも待ってるのでそろそろ自粛。イスお借りしますね、、、インド系らしき若い女性の集団が近くに陣取る。出発前にこのラウンジを利用するのだから、それなりの客層(?)には違いないが、一体どこへ行くのだろうか。
クアラルンプール国際空港・ゴールデンラウンジ
  5日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
クアラルンプール国際空港、MH88、成田空港
4時間近くいたのに全く苦にもならず、逆に名残惜しいくらいだったのはラウンジの居心地がよかった証拠だろうか。搭乗時刻が近づきすぐすごとゴールデンラウンジを立ち去る。そして帰りのMH88便ももちろんA380、Cクラス向けに別の待合室があり、搭乗機を見たりしながら出発までの時間を過ごす。レジ番号を見ると行きと同じで、どうやらここ数日の成田便同じ機材があてがわれているようだった。そうこうして機内に乗り込むと、先ほどラウンジで横にいた一団の姿があった。かれこれ出発予定時刻から30分以上過ぎているにも関わらず、外は猛烈なにわか雨、出発する気配はない。別に焦りはしてないが、外をぼんやり眺めているうちに日付も変わり、随分と待ってからの出発となった。
マレーシア航空・MH88便・成田行き
帰りは深夜の便なので夕食ではなく、サテー軽く飲み物をいただいてから、あとはお休みタイム…。こうやってフルフラットのシートでゆったり過ごせるところがC席のありがたいところ。出発が遅れた割には帰りのフライトは順調で、遅れはほとんどなくなっていた。さて、本当にこれで最後、成田到着前の朝食で、ナシレマというココナッツミルクで炊いたご飯をチョイス。ちょっとスパーシーなところに後ろ髪を引かれる。ジャカルタの空港から始まり、散々食った挙句、早朝6時に空腹を感じてたのは自分でも驚きだった。今回も引きのよさに乗じて、あれこれ盛り込んでしまったが、慌ただしくも充実した旅はこれでおしまい、怒涛の夏休みを終える。成田到着後、往復お世話になった機材に向かって、あらためてお礼を言いたい気分だった。
マレーシア航空・MH88便・成田行き