■旅日誌
[2005/8] 期待のニューフェース
(記:2005/10/10)
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8月24日につくばエクスプレスが開業しました。久々のそれも本格的な新線開業です。かつては常磐新線と呼ばれ、文字通り飽和状態にあった常磐線を補完するものとして期待されています。新線開業とあれば、完乗タイトルを保持するためにも乗りに行かなければなりません。(笑) ということで、早速開業したその週の週末にお出かけすることにしました。予想されましたが、祝賀ムード漂う中、物凄い人出でした。
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 日帰り
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
常磐線/フレッシュひたち、土浦、つくば、つくばエクスプレス、秋葉原
夏休み明け間もないのだが、新線開業と聞けばいても立ってもいられず、すかさずその週の週末に乗りに行くことに決めていた。つくばエクスプレスは東京の都心とこれまで鉄道希薄地帯だった東京北西部から茨城県つくばにかけての地域を結ぶもので、前振り通り常磐線を補完する形で期待が高かった路線である。ニュースにもなるくらいなので、わざわざ出かける人も少なくなく、自分としても「完乗」の肩書きを維持するためにも、早速乗りに行くことにしていた。
つくばエクスプレス
このつくばエクスプレスであるが、当初常磐新線と呼ばれていたようにJR(旧国鉄)が運営するものと目されていたが、その後国鉄の民営化などもあって、第三セクターで営業することになった。なので、今日ではJRとライバル関係にある。常磐線もそれに合わせて新しい快速電車を投入したり、常磐線の東京駅伸長のビジョンを打ち出してみたりと、一見地味だが火花を散らしている。いい意味での競争はユーザとしても好意に受け止めたい。
フレッシュひたち
つくばエクスプレスの始発駅は秋葉原であるが、単に往復するだけじゃつまらないので、往路は上野から常磐線で土浦へ向かうことにした。上野駅は、ついこの間の夏休みにここを出発したばかりなので記憶に新しい。ちょうど夜行列車が到着する時間でもあり、何となく華やかだ。そういえば、これまでフレッシュひたちに乗ったことがないような気がしたので、土浦までの短い距離だがこいつに乗ってみることにした。この間の夏休みの北海道で多少買い込み過ぎたオレンジカードの消費にもちょうどいいかもしれない。わざわざ山手線の駅で切符を買いなおしたり、上野駅の自販機を利用したり、地道な努力をしておく。
上野駅
上野から土浦までは1時間もかからないのであっという間についてしまうのだが、何となく車内販売でコーヒーを買ったりと少しでも旅気分が味わえるようなことをしていた。土浦駅に降り立ち、いま乗ってきたフレッシュひたちを見送る。かすかに記憶の底にある土浦駅とは随分風景が変わっていた。立派な高架のになったのがいつなのかも知らないくらいなので、浦島太郎のような思いになるのは無理もなかった。
フレッシュひたち
の外に出てバス乗り場を探す。何だか立派になりすぎてよく分からない。歩道橋をわたり、目的のバスが既に停まっていたことに気がつく。早速乗り込み発車を待つ。徐々に人も増え、立ってる人で満員になってしまった。駅前の繁華街を抜けると、やがて広い通りとなって、バスは快調に走っていた。つくばの中心街が近づき、いくつか停留所を経由するためにバスはやや迂回しながら終点のつくばターミナルへ到着した。田舎の中に忽然と現れた学研都市とでも言おうか、何か日本的でない雰囲気がする街である。ちょうど日曜のお昼時、方々結ぶ路線バスでごった返していた。
つくばバスターミナル
ちょうどお昼どきなので、軽く昼飯でも済ませておこうと思う。それにしても妙に人が多いなと思ったら、お祭りというか縁日というか、地元の催しものが行われてる日で、延々と露天が続き見物の人でひしめき合っていた。端っこの方には、つくばエクスプレスを宣伝するブースまで出ている。なんとなくその辺で食料を調達し、お祭り気分を味わいながらしばし休息をとることにした。もう少し静かそうなところを探すものの、夏休み最後の週末を楽しむ人でどこもあふれ返っていた。
つくば駅
つくばエクスプレスつくば駅は、中心の交差点の真下にあるらしい。早速階段を下りて地下に入ると、ここもまた多くの人でごった返していた。切符を買い求める人の列を、係りの人が大きな声で整理していた。パスネットが使えるのでこの列に並ぶ必要はないのだが、つくばエクスプレスのパスネットが欲しかったので、とりあえず窓口には並んでみることにした。早速ホームに下りると、秋葉原行きの快速が発車するところだった。6両編成の車両は満員である。次の区間快速も見送り、その後の快速を待つことにした。近代的な地下駅はホームドアも設置されており、ATOによるワンマン運転と、いまどきの路線であることが実感できた。
つくば駅
座席に座ることはあきらめ、窓にへばりついて車窓に目を向けることにした。快速列車はつくばを出るとしばらくはひろい田んぼの中を行くことになる。右手には筑波山のきれいな稜線が見えた。この先も高架とトンネルの連続で踏み切りはまったくない。最高時速130キロので飛ばしているというが、まったく速さを感じない。列車は快調に走っていた。途中、区間便の普通列車に接続を取り、やがて都内へと入ってきた。つくばエクスプレスの車両は"とがった顔"が印象的だが、実は二つの形式がある。そのうち半分がつくばまで行けるいわゆる交直流の電車であり、区間便の電車は守谷までの直流区間だけしか走れない。これは筑波にある地磁気観測所に配慮したものであり、常磐線も途中で交直切り替えが行われる。また、関東電鉄が電化しないのも同じ理由だといわれている。
つくばエクスプレス・車窓
秋葉原までの45分は本当にあっという間だった。あまりにもあっけなかったので、これからちょっとだけ戻って、2、3途中下車してみることした。その後で、久しぶりの秋葉原見物でもして行こうと思う。ところで、つくばエクスプレスは東京までの区間延長が計画されている。また秋葉原もこのつくばエクスプレスの開業に合わせるかのようにして街の再開発が進行中である。土地柄、普段の行動圏内ではないのだが、これからも気にしておきたい場所だと思った。
つくばエクスプレス